街のお医者さん相談室
体・心・病気の悩みなどの医療相談を、街のお医者さんに出演いただいた先生がお答えします。
つくばすとう歯科医院の須藤 堅悦先生に聞きました!
つくばすとう歯科医院で矯正歯科を担当しております嘉悦崚です。今回の質問は矯正に関する内容であるため私の方から回答させて頂きます。
基本的に子供の矯正(Ⅰ期矯正)は6歳前後に上下の大人の4前歯、合わせて8本がはえた頃に始めるのが目安とされてます。
ただ、上と下の歯が反対に噛んでいる反対咬合と呼ばれるものなど早期に治療が必要なものもあるので心配であれば、4〜5歳から矯正相談を受診されるのが良いかと思われます。
文章から判断すると粘液嚢胞を疑います。
粘液嚢胞の原因は唾液腺を誤って噛んでしまうなど、唾液腺の損傷が原因です。
粘液嚢胞は組織に唾液が貯留したものです。
自然に潰れてもまた唾液が溜まり再発を繰り返すものも多いのが特徴です。
自然に消失することもありますが、原則的には外科療法が適応になります。
外科療法では嚢胞を摘出しますが、その際再発を防止するために、原因となっている嚢胞周囲の小唾液腺も含めて摘出する必要があります。
あります。掌蹠膿疱症[しょうせきのうほうしょう](PPP)が考えられます。
私も水戸協同病院皮膚科部長 教授 田口詩路麻先生の講義を拝聴致しました。
掌蹠膿疱症は手掌と足蹠の皮膚に無菌性嚢胞を形成し歩行困難や手が使えないなどの症状が起こる皮膚疾患です。
過去には皮膚科にてステロイドやバイオ治療によって対症療法(症状を取り除くが原因は除去していない)がメインでしたが、現在は治療のガイドラインにも歯科の受診を勧め病巣の有無を確認すると明記されている様です。
掌蹠膿疱症の原因には歯科分野の病巣、根尖性歯周炎や歯周病、耳鼻科領域の病巣などがあります。その多くは無症状である事も報告されております。
それらの病巣を除去すると1年程で完治するケースも多数あります。
歯科医師にとって無症状であっても口腔内の病巣を見つける事は難しいことではありません。
そもそも、かかりつけの歯科医院がある方は掌蹠膿疱症になるリスクが低いというデータもあります。
皮膚科で掌蹠膿疱症と診断された方はもちろんのこと、そうでない方も定期的に歯科を受診し口腔内の状態の把握や管理を歯科医院でした方が良いと考えております。
早速の質問ありがとうございます。ひとつの質問から皆様にお伝えしたい内容は多岐にわたるのですが、皆様になるべく理解して頂けるようテーマを絞りお伝えできるように意識しております。伝えきれなかった内容は別の質問の時にお伝えしようと思っております。ご了承下さい。
歯を失った所を補う方法はいくつかありますが、それぞれに利点と欠点があるのでそれを理解したうえで選択するのが良いでしょう。
一つ目がブリッジ治療。これは残存している歯を削り繋がった銀歯で補う物。削る歯の数や補うことが出来る範囲などは残存している歯に無理がない様に保険治療で決まっています。欠点は健康な歯でも大きく削る必要があること。利点は違和感が少なく普通に咀嚼できることです。
二つ目が入れ歯(義歯)で、少ししか削らない利点があります。欠点は噛む能力が低いことや違和感があります。取り扱いも他の物より面倒になります。広範囲を補うのには適しています。
ブリッジと入れ歯(義歯)は健康保険適応の物と自費治療の物から選択することが出来ます。
三つ目がインプラント治療。これはとても良い方法ですが、欠点として健康保険が適応にならない為に高額になること、骨とインプラントがくっつく(インテグレーション)のを待つ為治療の期間がほかの治療より長くなることです。利点は臨在する歯を削らないこと、しっかり咬合できること、歯を柱に例えるとその柱が増やせる事などにあります。
他の方法として、歯を失った部位や咬合などにより選択できるものがあります。親知らずの移植。矯正治療を用いてバランスを良くする方法。抜歯後放置(他の治療の欠点を考えると許容される場合)があります。
以上を理解して歯科医師と相談して決めるのが良いと思います。
まず治療をするうえで最も重要な事のひとつに予知性があげられます。
この治療の予知性とは文字通り、その治療をしたらその後どうなるのか?もし何もしなかったらどの様になるのか?他の治療を選択をしたらどうなるのか?など予後を予知する事です。この予知性を可能にするのが、過去に行われた国内外の莫大な数のデータを歯科医師は把握をしており、併せて自分の経験を元にしています。そして予知性の高い治療の提案をしています。
御質問を例に抜歯したまま放置した場合歯が倒れてきたり骨から出てきてしまい、噛み合わせが崩壊してしまいます。また顎の力を支える柱(歯)が少なくなると1本にかかる負担が大きくなります。この様になると歯の寿命は明らかに短くなります。
それを防ぐためにブリッジの治療を提案されたのでしょう。これは治療をする利点がしないよりも優位性をもって高いといえます。
欠損補綴(失った歯を補う方法)は他にもありますので別の質問のあった時にお伝えしたいと思います。
歯の状態を診てみないと明確な事は申し上げられませんが、歯科医師にその様に診断されたのであればその可能性が極めて高いといえるでしょう。
多くの歯科医師はMI(ミニマルインターベンション)という考え方を大切にしております。
MIというのは歯の削る量を最小限にしよう。歯髄をなるべく保存しようという考え方です。
MIを実現させるために必要な考え方の一つが早期発見早期治療です。
虫歯が小さいからといって治さず大きくなってから治すのであれば、結果的に歯を削る量が増えてしまいます。これではMIは達成できていません。
次に、う蝕(虫歯)の深さなのですが、一見少し黒くなっているだけに見える虫歯ですが、齲蝕円錐といい入り口は小さく中では大きく広がっています。表面のエナメル質は人間で最も固い組織でありとても強いのに対し中の象牙質はエナメル質に比べれば弱いためこの様になります。
私は大学病院勤務時代、この辺りが専門の診療科に所属しておりました。
虫歯の範囲と見え方どこまで削る必要があるかなどを歯科医師向けに研究、発表した経験があります。
詳細はとても専門的な話になってしまいますが、簡単に申し上げれば小さく見える虫歯も実は想像以上に大きい物が多いのです。
歯周病はお口の中の歯周病菌が歯の周りの組織に悪さをする病気です。
歯周組織である歯肉(歯茎)が腫れたり、歯槽骨(歯を支えてる骨)が吸収してしまいます。
多くは慢性的に進行し(症状が無く進行し)免疫力の低下した体調不良の時などに違和感や痛みを感じるだけの事が多いです。
進行すると歯がグラつき固いものを食べると痛いなどの症状がでます。この段階になってしまうと抜歯しなければならないことも少なくありません。
歯周病菌は歯と歯茎の間の溝(歯肉溝)に多く住んでいます。歯茎が腫れたり歯槽骨が溶ければこの歯肉溝が病的に深くなり(歯周ポケット)歯周病菌にとってはより住みやすく繁殖し易くなってしまい歯周病のコントロールを難しくさせます。
歯周病を進行させないためには歯周病菌をなるべく減らす必要があります。それには歯肉溝に歯ブラシの毛先やフロスが入る様に意識すると良いでしょう。歯周病菌は歯石を形成します。歯石は軽石のような構造で歯周病菌の巣の様になっています。これを歯ブラシ(セルフケア)で完全に取り除くことは不可能です。ですので、歯科医院で定期的に取り除く必要があります。歯石の付着するスピードは人により異なりますが、日本歯周病学会では一般的な人で3〜4ヶ月に1度取り除く事を推奨しております。