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街のお医者さん相談室

体・心・病気の悩みなどの医療相談を、街のお医者さんに出演いただいた先生がお答えします。

清宮眼科皮膚科の清宮民彦先生に聞きました!

つくば市小野崎400-1
TEL: 029-886-4930

眼科・皮膚科

そろそろ花粉症の季節に入ってきます。花粉症の方にとってはとてもつらいですよね。
そこで、なるべく症状を軽くするためにできる予防法を述べたいと思います。
スギ花粉など症状の出やすい時期が予測できる花粉などが原因のアレルギー症状の場合には、『初期療法』という考え方があります。症状が出る前の、花粉飛散時期の約2週間前から、または症状が少しでもあらわれたら、抗アレルギー点眼薬による治療を始める方法で、花粉飛散ピーク時の症状が軽くなります。毎年花粉症がひどい場合は、症状があらわれる前に点眼を始めることをお勧めします。
また、花粉の飛散が始まったら、花粉対策としてメガネやマスクを装着すると、非装着時と比べて鼻や眼に入る花粉の数を半分以下に抑えることができますので、外出時はメガネ(花粉対策のものも市販されています)、マスク、帽子を着用するとよいでしょう。また、帰宅時に衣類や髪に付いた花粉を払い落とす、帰宅後は手洗い、うがい、洗顔を心掛ける、洗濯物、布団は花粉を払い落としてから取り込む、などを心がけるようにしましょう。 

そろそろ空気が乾燥する季節になってきました。ドライアイを感じ始める方が多くなってきたのではないでしょうか?
ドライアイの治療は点眼治療が基本になります。市販の目薬はたくさん出ているので、どれがいいか迷ってしまいますよね。できれば、防腐剤という成分が入っていない1回使い切りの点眼がいいでしょう。
病院で処方できる点眼薬の中には、単に涙の成分を補充するだけではなく、ご自身の涙の分泌を促す作用のあるお薬があったり、眼表面の乾燥によって傷んだ粘膜(結膜)を良くするお薬もあります。市販のお薬よりは効果が期待できると思いますので、ドライアイ症状で悩んでいる方は、ぜひ眼科で相談してみて下さい。
点眼治療でも症状が改善しないようなら、「涙点プラグ」という涙の通り道を少し塞いでしまう治療もあります。シリコンという素材でできた、米粒より小さい物を目頭にある涙点にはめ込みます。眼の表面に涙を貯めることで、症状を改善させます。涙点プラグ挿入は痛みもほとんどなく数分で終わります。もし、入れたあと異物感が強かったり、逆に涙がたまりすぎる場合は簡単に取ることもできますので、ご希望があれば眼科でご相談下さい。

なみだ目と一言でいっても、原因はいろいろあります。アレルギー性結膜炎だったり、逆さまつ毛だったり、白目のしわ(結膜弛緩症)だったり、また、一見なみだ目とは正反対に思われるドライアイが原因で涙が出る事もあります。
他にもいろいろ原因があるのですが、ひどいなみだ目がずっと続いている方は涙道狭窄(閉塞)の可能性があります。涙道とは、目がしらにある涙点から鼻の奥の方までつながっている涙の通り道で、よく涙腺がつまっていると言っている方はこの涙道のつまりの事が多いようです。
涙道が細くなったりつまってしまうと、涙が鼻の方まで流れず逆流して、目に涙がたまってしまいます。このような方はつまっている所を解除してあげれば、なみだ目がよくなる事が多いです。
歳をとっているからなみだ目はしょうがないとあきらめている方も多いようですが、一度原因をしっかり調べてもらうとよいでしょう。なみだ目による不快感から解放されるかもしれません。

加齢黄斑変性症とは、その名の通り加齢により網膜の中心部分の黄斑という所が傷んでしまう病気です。網膜とは眼球の内側にある神経線維の膜でカメラでいうフィルムの部分にあたります。加齢黄斑変性は大きく2つに分類され、委縮型と滲出型があります。
委縮型は食生活の改善(肉を少なく、野菜、魚を多く)やサプリメントの摂取が推奨されていますが、これといった治療薬はありません。そのかわり、急激に悪くなったりすることもありません。これに対し滲出型は見ようとする中心が急にゆがんでみえたり、黒っぽくなったりします。悪化すると失明につながる事もあり、積極的な治療が必要です。滲出型もなかなか治療が難しいのですが、現在は抗VEGFというお薬を眼に注射する事が多いです。
片眼がこの病気になってしまうともう片方がならないか心配です。完全な予防法はないのですが、サプリメントを飲む、禁煙する、緑黄色野菜を多くとる、紫外線やブルーライト(パソコンなどの液晶画面から出る光)をカットする、などが良いとされてますので実践するとよいでしょう。

白内障とは、眼の中にある水晶体というレンズが白く濁ってしまう病気です。病気といってもほとんどの方は加齢にともなう変化ですので、個人差はありますが誰でも歳を重ねれば少しずつ濁ってきます。
自覚症状は、視力低下、かすみ、まぶしさなど様々ですが、白内障がゆっくり進行した場合は無症状のこともあります。
治療ですが、初期の方は点眼もしくは内服薬で進行を遅らせる方法もありますが、点眼、内服では一度濁った水晶体を元のように透明にすることはできません。
根治治療は手術によって濁った水晶体をとって透明な人工の眼内レンズに入れかえます。白内障以外に眼に大きな病気がなければ、ほとんどの人はすっきり見やすくなります。
手術すれば白内障が再発することはありませんが、眼内レンズを入れた袋が濁る事があります。これは後発白内障と呼ばれるもので、レーザー治療により濁りをとることで視力が回復します。 

おそらく結膜下出血というものだと思われます。白目は結膜という半透明の粘膜で表面がおおわれていますが、そこにある血管が切れて部分的に出血が広がって真っ赤になってしまいます。見た目が真っ赤で派手なので、びっくりしてしまいますが、特に心配する必要はありません。
他の目の病気や全身の病気ともほぼ関係なく、1~2週間で自然に吸収されます。治療法もなく、目薬をする必要もありません。日常生活でも何も制限しなくて大丈夫です。
ただ、出血とまぎらわしいのが充血です。白目の一部分(内側だけ、外側だけ等)が真っ赤になるのが出血、血管が拡張(太くなる)して全体的に赤くなることが多いのが充血です。充血の場合はアレルギー、細菌、ウイルスなどが原因の結膜炎の場合があり、治療が必要になります。
結膜炎の場合は充血以外にめやに、かゆみ、痛みなど他の症状を伴うことが多いです。出血か充血か迷う場合は眼科で診てもらいましょう。

視神経乳頭陥凹拡大とは緑内障の可能性のある所見です。病名ではありません。
緑内障は眼圧の上昇などにより視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気です。この病気の怖いところは、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行してしまう事です。40歳以上の20人に1人が緑内障にかかっていて、しかもその9割が気付かないまま治療を受けていないと推定されています。
一度障害された視神経はもとにもどらないので、早期に発見し、治療を開始することが最も重要です。眼圧がもともと高い方、血縁者に緑内障の方がいる方、近視が強い方は発症しやすいと言われていますので特に注意が必要です。
現在の高齢化社会において緑内障は失明原因の第一位を占めておりますが、適切な治療を受けることで進行を遅らせて一生涯不自由なく生活できるようにしたいものです。大切な目を守るために、発見の機会となる健診などを積極的に受け、40歳を過ぎたら一度眼科で検査を受ける事をお勧めします。

疲れていたりすると、目のまわりがピクピクすることはよくあると思います。これも、一般的には広い意味で眼瞼けいれんと呼んでいいのかもしれませんが、医学的には「眼瞼ミオキミア」と言い、眼瞼けいれんと区別されています。
ここで言う眼瞼けいれんとは、自分の意思に関係なく両目のまわりの筋肉が勝手にけいれんし、目が開けにくくなる病気です。原因は目やまぶたにあるのではなく、脳内から正しい指令が伝わらず、目の開閉がうまくできなくなるのです。
中高年(50歳~70歳代)の女性に多い病気で、初期にはドライアイと似通った症状がみられます。ドライアイの治療をしても治らない、まぶしくてサングラスが手放せないなどの症状がある人は眼科で相談するといいかもしれません。
治療は内服薬や手術もありますが、現在第一選択として行われているのが「ボツリヌス」というお薬を目のまわりに注射する治療です。筋肉のけいれんや収縮の原因になっている神経の働きを抑え、緊張しすぎている筋肉を緩めるものです。

もともと視力がいい人は、若い時は遠くから近くまでよく見えるので、良い目と思われる傾向にありますが、30代後半~40代になってくると調節力が衰えてきて近くを長時間見ると疲れる、いわゆる眼精疲労が起こりやすくなります。
頭痛、肩こりがひどい方は適切な度数の眼鏡やコンタクトレンズをすることで改善するかもしれません。
スマートフォンが普及し近くを見ることが多くなった現代はだれしも眼精疲労になる可能性があります。
近視の方で同様な症状がある方は眼鏡、コンタクトの過矯正(度数が強すぎる)の可能性があります。
眼鏡を今までかけたことがない人でも疲れ目、頭痛を改善するためにかけ始めてはいかがでしょうか?
見た目が気になるならコンタクトレンズでもいいと思います。

まずは寄り目が本当に寄り目(内斜視)なのか見きわめる必要があります。赤ちゃんの場合、目がしら側の皮膚が膨らんでいて内側の白目が少なく見えるため、本当は寄り目ではないのに、一見、寄り目に見えることがあります。
フラッシュをたいて写真を撮ってみて、両目とも黒目の同じ位置に反射光が映れば内斜視ではない事になります。もしくは、両方の目がしらの皮膚を鼻のつけねの方につまんで視線を確認してみて、寄り目が治るようでしたら大丈夫という事になります。
ただ、なかなか判断に迷うこともあると思うので気になるようなら一度眼科を受診することをお勧めします。 
生後1か月半のお子さんで本当に内斜視があるとすると、乳児内斜視と言って、場合によっては手術で斜視を治したほうがいい場合もあります。ずっと斜視が続いていると視力が育たないため弱視(眼鏡をかけても視力がでない)になってしまう事があるからです。生後6か月をすぎても斜視が気になるようであれば眼科受診をお勧めします。

おそらく結膜下出血というものだと思われます。白目は結膜という半透明の粘膜で表面がおおわれていますが、そこにある血管が切れて部分的に出血が広がって真っ赤になってしまいます。
見た目が真っ赤で派手なので、びっくりしてしまいますが、特に心配する必要はありません。他の目の病気や全身の病気ともほぼ関係なく、1~2週間で自然に吸収されます。治療法もなく、目薬をする必要もありません。日常生活でも何も制限しなくて大丈夫です。
ただ、出血とまぎらわしいのが充血です。白目の一部分(内側だけ、外側だけ等)が真っ赤になるのが出血、血管が拡張(太くなる)して全体的に赤くなることが多いのが充血です。充血の場合はアレルギー、細菌、ウイルスなどが原因の結膜炎の場合があり、治療が必要になります。結膜炎の場合は充血以外にめやに、かゆみ、痛みなど他の症状を伴うことが多いです。出血か充血か迷う場合は眼科を受診してください。

いろいろありますが、緑内障、眼瞼下垂、流涙症(なみだ目)などがあげられます。  
緑内障は自覚症状がほとんどありません。中心近くに視野の異常が出てはじめて自覚できます。緑内障は失明する怖い病気と思っている方も多いのですが、早期に発見し、早期に治療を開始すれば、そこまで怖がることもありません。ただ、一度見えなくなった視野は元に戻らないので、そうなる前に治療を開始したいものです。
眼瞼下垂はまぶたが下がってくるもので、ほとんどが加齢による変化です。下がったまぶたのせいで上方の視野が狭くなったり、まぶたが重たい感じがしたり、自分の手でまぶたを上げると明るく見やすくなったりします。薬では改善しないので、手術でまぶたをあげるしかありません。見た目もすっきりし若返ったように感じる事が多いようです。
なみだ目は、年中ハンカチで涙を拭いたり、とにかくうっとうしいと思います。原因にもよりますが、これも手術で涙の通り道を拡げてあげると改善する事が多いです。高齢になると若い頃にはなかった症状が出てくると思いますので、ぜひ眼科でご相談下さい。

眼瞼下垂とは、目を開いたときに上眼瞼縁が正常の位置〔角膜(くろめ)の上方が少し隠れる高さ〕より下がっている状態をいいます。このことにより、上方の視野が狭く感じられたり、外見が悪くなったりします。ほとんどの方は加齢によりまぶたを上げる筋肉がゆるんでまぶたが下がってきます。眼瞼下垂と思われても実は眼瞼の皮膚だけが緩んで下がっている眼瞼皮膚弛緩症(しかんしょう)というものもあります。まぶたをきちんと上げることが困難になると、無意識に額の筋肉を使ってまぶたを上げようとし、そのためにまゆげの位置があがり、額にしわがよります。それでも視野がせまい場合にはあごをあげて下の方を見るようになります。これによって肩こりや頭痛、眼精疲労などの症状が出る場合もあります。
他の原因から二次的に眼瞼下垂が生じている場合以外のほとんどの眼瞼下垂はまぶたをあげる手術で治療します。(健康保険適用)
ただし、まぶたが瞳孔にかかっていないようなごく軽度の眼瞼下垂は視野を妨げていないため、手術の目的が整容的(病気の治療ではなく、より美しくするための手術)なものになるので保険適用がありません。

小学生、中学生は学校で視力検査をやって用紙をもらってきて「え~、こんなに悪かったの?」と感じている親御さんもいらっしゃるかもしれません。視力低下(主に近視の進行)は遺伝的要因と環境要因があるとされています。遺伝的要因は親が近視が強いと子供にも近視が遺伝してしまうもので、避けようがありません。
環境要因としては近業(近くを見る)時間が長いと近視になりやすいと言われています。携帯型ゲーム、スマートフォンなどは要因になりやすので、なるべく控える、勉強、読書はしないわけにはいかないので、姿勢を正しく明るい場所で、などを注意すると良いでしょう。
思春期に視力が悪くなってしまうのは、現代社会のライフスタイル上、仕方ないのかもしれません。極論を言えば、田舎に住んで勉強しないで屋外で遊べば近視になる可能性は低くなると思いますが、そんな訳にもいかないので、上に書いた近業作業をなるべく減らす努力はした方がいいかもしれません。ただ、注意しても近視が進行する人は進行しますので、それぞれの近視に合わせたメガネ、コンタクトを作って快適に生活できるようにしたほうが、見えづらいのを我慢するよりよっぽどいいと思います。

これは診察してみないとはっきりとは言えませんが、眼精疲労の可能性もあるかもしれません。ドライアイに関しては目薬の種類もたくさんあるので、処方された目薬であまり効果が感じられなければ種類を変更してみたり、2~3種類を併用してみるのもいいかもしれません。あと、決められた回数をきっちりつけられているでしょうか?いくらいいお薬でも回数が少なければ効果も半減してしまいますので、回数が多く大変かもしれませんが、こまめにさす事を意識してみましょう。それでも改善しなければ、涙が目から鼻の奥の方へ抜けていく通り道(涙道)の入り口(涙点)を涙点プラグというもので塞ぐ治療法があります。ドライアイでお困りの方は試してみる価値があるかもしれません。
眼精疲労に関しては、なるべく近くを見る時間を少なくする、具体的にはスマホ、ゲームなどを控える、ホットアイマスクなどで目を温める、眼鏡やコンタクトレンズの度数が適切か確認し、合ってなければ新しくする、などの対策がおすすめです。

いろいろありますが、緑内障、眼瞼下垂、流涙症(なみだ目)などがあげられます。  
緑内障は自覚症状がほとんどありません。中心近くに視野の異常が出てはじめて自覚できます。緑内障は失明する怖い病気と思っている方も多いのですが、早期に発見し、早期に治療を開始すれば、そこまで怖がることもありません。ただ、一度見えなくなった視野は元に戻らないので、そうなる前に治療を開始したいものです。
眼瞼下垂はまぶたが下がってくるもので、ほとんどが加齢による変化です。下がったまぶたのせいで上方の視野が狭くなったり、まぶたが重たい感じがしたり、自分の手でまぶたを上げると明るく見やすくなったりします。薬では改善しないので、手術でまぶたをあげるしかありません。見た目もすっきりし若返ったように感じる事が多いようです。
なみだ目は、年中ハンカチで涙を拭いたりとにかくうっとうしいと思います。原因にもよりますが、これも手術で涙の通り道を拡げてあげると改善する事が多いです。高齢になると若い頃にはなかった症状が出てくると思いますので、ぜひ眼科でご相談下さい。

“ものもらい”は正式には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)といいます。関西などでは“めばちこ”と呼ばれるものです。麦粒腫はまぶたのふち、すなわちまつげの生え際あたりに細菌が感染し、炎症を起こしてできもの状に腫れるものを言います。“ものもらい”という名前を聞くと他人にうつりそうですが、うつりません。 
結膜炎はアレルギーが原因のもの、細菌が原因のもの、ウイルスが原因のもの、など種々の原因により、白目またはまぶたの裏の粘膜が炎症を起こし充血するものです。一般的にみなさんが結膜炎と言うのは、細菌によるものだと思います。結膜炎も細菌性のものは基本的にうつりませんが、ウイルス性のものはうつる可能性があります。見た目だけでは判断できないので眼科で診察を受けるのがよいでしょう。
ものもらいも細菌性結膜炎も治療は抗生剤が基本になります。早期に投薬することで悪化するのを防ぐようこころがけましょう。

結膜炎にはおおまかに分けると3種類あります。
一つ目はアレルギー性で、代表的なのは花粉症です。アレルギー物質が眼の表面にある結膜(白目)に付着し、アレルギー反応を起こします。充血、かゆみが主な症状ですが、涙っぽい、ゴロゴロする、目やにがでる場合もあります。 
二つ目は細菌性の結膜炎です。ばい菌(細菌)が結膜に付着し、炎症を起こします。充血、目やにが主な症状ですが、うつらない結膜炎です。
三つ目はウイルス性の結膜炎です。主にアデノウイルスが原因で、非常に強い充血、目やにが特徴で、感染力が強く注意が必要です。
お子さんがかかった場合は症状がなくなるまで、学校を休まなくてはなりません。
絶対にうつらないようにするのは困難ですが、予防、対策として気を付ける事は①手をエタノール(アルコール)などで頻繁に消毒する②タオルを共有しない③感染物(ティッシュなど)に触れない などです。
お子さんの結膜炎がうつるのか、うつらないのか判断するのは難しいと思いますので、まずは眼科で診断をうけるのがよいでしょう。

糖尿病には最小血管(毛細血管)の障害による三大合併症があります。糖尿病網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害の三つです。このうち網膜症とは、眼球内の内側にある網膜(カメラで例えるとフィルムにあたる部分)の血管障害により網膜の状態が悪くなります。
血流が悪くなった場所は酸素不足に陥り、それを補おうと新しい血管(新生血管)が伸びてきます。一見、良さそうに聞こえますが、この新生血管は非常にもろく破れやすい血管で、硝子体という透明な場所に出血を起こし、一気に視力が下がってしまいます。
このように悪くなる前にレーザー治療など適切な処置をすることが大切です。
この病気の怖い所は、自覚症状が出にくい所です。 網膜の中で視力に関係するのは、ほとんどが黄斑(おうはん)と呼ばれる中心部分でここに障害がでないと見えづらいなどの自覚症状がでません。糖尿病網膜症の場合、この黄斑に障害が出なくても、進行することがありますので、糖尿病と診断された方は一度眼科で診察された方がよろしいかと思います。

眼内レンズとは主に白内障手術時に眼内に入れるレンズです。白内障は目の中にある水晶体というレンズが濁って、かすんで見えたりまぶしくなったりする病気です。病気といっても加齢によって誰でも少しずつ濁りがでてきます。治療は、手術によって濁った水晶体を取り除き、その代わりに眼内レンズを入れます。 この眼内レンズを入れなければ、ピントが全く合わないので、しっかり見えるようにするためレンズを入れます。
一昔前までは、眼内レンズは単焦点レンズという一定の距離にだけピントが合うレンズしかありませんでした。例えば、遠くは良く見えるけど近くが見にくかったりします。近くを見るために眼鏡をかける必要があります。 
そこで最近は多焦点眼内レンズといって、遠くと近くの両方に焦点が合うレンズが出てきました。このレンズは健康保険適用外であり自費で高いお金を払わなければなりませんが、民間保険会社の先進医療特約に加入していれば手術代が還付されることがあります。
多焦点レンズにご興味がある方は一度眼科で相談するとよいでしょう。

視力低下(主に近視の進行)は遺伝的要因と環境要因があるとされています。
遺伝的要因は親が近視が強いと子供にも近視が遺伝してしまうもので、避けようがありません。
環境要因としては近業(近くを見る)時間が長いと近視になりやすいと言われています。携帯型ゲーム、スマートフォンなどは要因になりやすので、なるべく控える、勉強、読書はしないわけにはいかないので、姿勢を正しく明るい場所で、などを注意すると良いでしょう。
思春期に視力が悪くなってしまうのは、現代社会のライフスタイル上、仕方ないのかもしれません。極論を言えば、田舎に住んで勉強しないで屋外で遊べば近視になる可能性は低くなると思いますが、そんな訳にもいかないので、上に書いた近業作業をなるべく減らす努力はした方がいいかもしれません。
ただ、注意しても近視が進行する人は進行しますので、それぞれの近視に合わせたメガネ、コンタクトを作って快適に生活できるようしたほうが見えづらいのを我慢するよりよっぽどいいと思います。

飛蚊症とは、文字通り蚊が飛んでいるように見える事もありますし、髪の毛のように細長く見えたり、カエルの卵みたいに半透明に見える事もあります。
眼の中には硝子体(しょうしたい)という透明なゼリー状の物質がふくろ(硝子体膜)につつまれて入っています。そのふくろは目の中で網膜にへばりついています。このふくろが年々収縮していき、おおよそ50~65歳ぐらいで網膜からはがれます(後部硝子体剥離)。この際、ふくろについてきた網膜の細胞が自分で見えることがあり、これが飛蚊症の正体です。
後部硝子体剥離に伴う飛蚊症(生理的飛蚊症)は医学的には問題ありません。徐々にうすくなっていき、さほど気にならなくなっていく事が多いです。後部硝子体剥離が起こる時に、たまたま網膜の一部と後部硝子体が強く癒着していると、その部分の網膜が強く引っ張られて、網膜に裂け目ができます(網膜裂孔)。網膜裂孔ができると、そこから眼内の水分が網膜の下にまわり、網膜剥離になってしまいます。ゆえに、この網膜裂孔が発生している場合は、レーザーによる治療が必要となります。

白内障とは、眼の中にある水晶体というレンズが白く濁ってしまう病気です。視力低下、かすみ、まぶしさなどが自覚症状として現れます。治療ですが、初期の方は点眼もしくは内服薬で進行を遅らせる方法もありますが、点眼、内服では一度濁った水晶体を元のように透明にすることはできません。根治治療は手術によって濁った水晶体をとって透明な人工の眼内レンズに入れかえます。手術のやる時期ですが、急いでやった方がいい場合もありますが、原則的には見え方が悪く日常生活に支障が出たときでよろしいかと思います。
緑内障は眼圧の上昇などにより視神経が障害される病気です。この病気の怖いところは、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行してしまう事です。40歳以上の20人に1人が緑内障にかかっていて、しかもその9割が気付かないまま治療を受けていないと推定されています。一度障害された視神経はもとにもどらないので、早期に発見し、治療を開始することが最も重要です。治療は点眼により眼圧を低く保ち続ける事で、進行を遅らせます。点眼薬でも眼圧が下がらない場合は手術をして下げます。

アレルギー性結膜炎とはアレルギー反応が関与している結膜炎のことを言います。
よく結膜炎と言うと細菌性やウイルス性を思い浮かべる方が多いと思いますが、アレルギーが関与している事も珍しくありません。結膜とは、白目の表面と瞼の裏(内側)を覆っている半透明の粘膜を言います。そこにアレルギーを引き起こす物質が付着すると結膜炎を起こします。代表的なものはスギ花粉、ダニなどがあります。  
かゆみが出る事が多いですが、瞼の裏を見ると結膜乳頭とよばれるゴツゴツした隆起だけが見られ、かゆみがない無症状のこともあります。
アレルギーの検査は一般的な腕からの採血で調べる事もできますし、最近では採血が難しいお子さんでも指先に針を刺し、ごく少量の血液だけで調べる事もできるようになりました。痛みも少なく20分で結果が分かるので、お子さんでも一度調べておくといいかもしれません。原因が分かれば対策も立てやすいでしょう。例えば、花粉が原因の場合は外出時にメガネやマスクをしたり、ハウスダストの場合はこまめに室内の掃除をしたり、ふとん、枕カバーの洗濯、乾燥なども役に立ちます。

もともと視力がいい人は、若い時は遠くから近くまでよく見えるので、良い目と思われる傾向にありますが、30代後半~40代になってくると調節力が衰えてきて近くを見ると疲れる、いわゆる眼精疲労が起こりやすくなります。
頭痛、肩こりがひどい方は適切な度数の眼鏡やコンタクトレンズをすることで改善するかもしれません。
スマートフォンが普及し近くを見ることが多くなった現代はだれしも眼精疲労になる可能性があります。近視の方で同様な症状がある方は眼鏡、コンタクトの過矯正(度数が強すぎる)の可能性があります。
眼鏡を今までかけたことがない人でも疲れ目、頭痛を改善するためにかけ始めてはいかがでしょうか?
見た目が気になるならコンタクトレンズでもいいと思います。

まずは寄り目が本当に寄り目(内斜視)なのか見きわめる必要があります。
赤ちゃんの場合、目がしら側の皮膚が膨らんでいて内側の白目が少なく見えるため、本当は寄り目ではないのに、一見、寄り目に見えることがあります。
フラッシュをたいて写真を撮ってみて、両目とも黒目の同じ位置に反射光が映れば内斜視ではない事になります。もしくは、両方の目がしらの皮膚を鼻のつけねの方につまんで視線を確認してみて、寄り目が治るようでしたら大丈夫という事になります。
ただ、なかなか判断に迷うこともあると思うので気になるようなら一度眼科を受診することをお勧めします。 
生後1か月半のお子さんで本当に内斜視があるとすると、乳児内斜視と言って、場合によっては手術で斜視を治したほうがいい場合もあります。ずっと斜視が続いていると視力が育たないため弱視(眼鏡をかけても視力がでない)になってしまう事があるからです。生後6か月をすぎても斜視が気になるようであれば眼科受診をお勧めします。

加齢黄斑変性とは、その名の通り加齢により網膜の中心部分の黄斑という所が傷んでしまう病気です。網膜とは眼球の内側にある神経線維の膜で、カメラでいうフィルムの部分にあたります。加齢黄斑変性は大きく2つに分類され、委縮型と滲出型があります。
委縮型は食生活の改善(肉を少なく、野菜、魚を多く)やサプリメントの摂取が推奨されていますが、これといった治療薬はありません。そのかわり、急激に悪くなったりすることもありません。これに対し滲出型は見ようとする中心が急にゆがんでみえたり、黒っぽくなったりします。悪化すると失明につながる事もあり、積極的な治療が必要です。滲出型もなかなか治療が難しいのですが、現在は抗VEGFというお薬を眼に注射する事が多いです。
片眼がこの病気になってしまうと、もう片方がならないか心配です。完全な予防法はないのですが、サプリメントを飲む、禁煙する、緑黄色野菜を多くとる、紫外線やブルーライト(パソコンなどの液晶画面から出る光)をカットする、などが良いとされていますので実践するとよいでしょう。

まぶたの下がり(眼瞼下垂)はいろいろな原因で起こります。一番多いのは加齢性の眼瞼下垂で、瞼を上げる筋肉(眼瞼挙筋)が弱ってきて下がってしまうものです。
質問された方は加齢というにはまだお若いようですし、片方だけという事で、ハードコンタクトレンズを長年使用してはいないでしょうか?近視が強く、若い頃からハードコンタクトレンズを使用している方はコンタクトが原因の眼瞼下垂かもしれません。コンタクトでなぜ瞼が下がるのかははっきりと原因が分かっていませんが、出し入れの時に瞼を引っ張るので筋肉が弱ってしまうのではないか、という説もあります。
まぶたが下がっているがために疲れ目や頭痛、肩こりが起こることもあります。治療は他の原因による二次的な眼瞼下垂以外のほとんどの眼瞼下垂は手術になります。
点眼や内服薬では治りません。手術をやる、やらないはご本人の希望でよろしいと思いますが、やらないと自然に改善することは難しいと思われます。手術はほとんどの人は局所麻酔ででき、痛みもさほどありません。手術後1週間くらいは腫れますが、徐々に引いていき、見た目も良くなります。

そろそろ花粉症の季節に入ってきます。花粉症の方にとってはとてもつらいですよね。そこで、なるべく症状を軽くするためにできる予防法を述べたいと思います。
スギ花粉など症状の出やすい時期が予測できる花粉などが原因のアレルギー症状の場合には、『初期療法』という考え方があります。症状が出る前の、花粉飛散時期の約2週間前から、または症状が少しでもあらわれたら、抗アレルギー点眼薬による治療を始める方法で、花粉飛散ピーク時の症状が軽くなります。毎年花粉症がひどい場合は、症状があらわれる前に点眼を始めることをお勧めします。
また、花粉の飛散が始まったら、花粉対策としてメガネやマスクを装着すると、非装着時と比べて鼻や眼に入る花粉の数を半分以下に抑えることができますので、外出時はメガネ(花粉対策のものも市販されています)、マスク、帽子を着用するとよいでしょう。また、帰宅時に衣類や髪に付いた花粉を払い落とす、帰宅後は手洗い、うがい、洗顔を心掛ける、洗濯物、布団は花粉を払い落としてから取り込む、などを心がけるようにしましょう。

視神経乳頭陥凹拡大とは緑内障の可能性のある所見です。病名ではありません。緑内障は眼圧の上昇などにより視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気です。この病気の怖いところは、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行してしまう事です。40歳以上の20人に1人が緑内障にかかっていて、しかもその9割が気付かないまま治療を受けていないと推定されています。
一度障害された視神経はもとにもどらないので、早期に発見し、治療を開始することが最も重要です。眼圧がもともと高い方、血縁者に緑内障の方がいる方、近視が強い方は発症しやすいと言われていますので特に注意が必要です。
現在の高齢化社会において緑内障は失明原因の第一位を占めておりますが、適切な治療を受けることで進行を遅らせて一生涯不自由なく生活できるようにしたいものです。大切な目を守るために、発見の機会となる健診などを積極的に受け、40歳を過ぎたら一度眼科で検査を受ける事をお勧めします。

なみだ目と一言でいっても、原因はいろいろあります。アレルギー性結膜炎だったり、逆さまつ毛だったり、白目のしわ(結膜弛緩症)だったり。また、一見なみだ目とは正反対に思われるドライアイが原因で涙が出る事もあります。
他にもいろいろ原因があるのですが、ひどいなみだ目がずっと続いてる方は涙道狭窄(閉塞)の可能性があります。涙道とは、目がしらにある涙点から鼻の奥の方までつながっている涙の通り道で、よく涙腺がつまっていると言っている方はこの涙道のつまりの事が多いようです。
涙道が細くなったりつまってしまうと、涙が鼻の方まで流れないので、目に涙がたまってしまいます。このような方はつまっている所を解除してあげれば、なみだ目がよくなる事が多いです。
歳をとっているからなみだ目はしょうがないとあきらめている方も多いようですが、一度原因をしっかり調べてもらうとよいでしょう。なみだ目による不快感から解放されるかもしれません。

屈折異常には近視、遠視、乱視があります。
大人で目が悪い(視力が悪い)というほとんどの方は近視(近眼)による裸眼視力の低下だと思われますが、眼鏡やコンタクトレンズをすれば見え方が良くなると思います。子供でも小学生~中学生で近視が進む人は多いですが、眼鏡やコンタクトをすれば問題ありません。
ところが、小さいお子さんで強い遠視や乱視がある人は眼鏡をかけてもよく見えません。これがいわゆる弱視と言われる状態です。視力の発達は生後すぐから6歳ぐらいまでがとても大事で、この期間に見えないまま過ごしてしまうと、いくら大人になってから眼鏡をかけても視力が上がりません。
そういった意味で、三歳児健診で遠視、乱視を指摘された方はこの時期から眼鏡をかけて視力を育てていく必要があります。大人になっていざ車の運転免許を取ろうとしたら、眼鏡をかけても視力が悪く、免許がもらえなかったという方もいますので、眼鏡をかける時期を逸さないようにしましょう。

「眼瞼けいれん」という病気の可能性も考えられます。疲れていたりすると、目のまわりがピクピクすることはよくあると思います。これも、一般的には広い意味で眼瞼けいれんと呼んでいいのかもしれませんが、医学的には「眼瞼ミオキミア」と言い、眼瞼けいれんと区別されています。
ここで言う眼瞼けいれんとは、自分の意思に関係なく両目のまわりの筋肉が勝手にけいれんし、目が開けにくくなる病気です。原因は目やまぶたにあるのではなく、脳内から正しい指令が伝わらず、目の開閉がうまくできなくなるのです。
中高年(50歳~70歳代)の女性に多い病気で、初期にはドライアイと似通った症状がみられます。ドライアイの治療をしても治らない、まぶしくてサングラスが手放せないなどの症状がある人は眼科で相談するといいかもしれません。
治療は内服薬や手術もありますが、現在第一選択として行われているのが「ボツリヌス」というお薬を目のまわりに注射する治療です。筋肉のけいれんや収縮の原因になっている神経の働きを抑え、緊張しすぎている筋肉を緩めるものです。

ドライアイの治療は点眼治療が主体になります。市販の目薬はたくさん出ているので、どれがいいか迷ってしまいますよね。できれば、防腐剤という成分が入っていない1回使い切りの点眼がいいでしょう。  
病院で処方できる点眼薬の中には、単に涙の成分を補充するだけではなく、ご自身の涙の分泌を促す作用のあるお薬があったり、眼表面の乾燥によって傷んだ粘膜(結膜)を良くするお薬もあります。市販のお薬よりは効果が期待できると思いますので、ドライアイ症状で悩んでいる方は、ぜひ眼科で相談してみて下さい。
点眼治療でも症状が改善しないようなら、「涙点プラグ」という涙の通り道を少し塞いでしまう治療もあります。シリコンという素材でできた、米粒より小さい物を目頭にある涙点にはめ込みます。眼の表面に涙を貯めることで、症状を改善させます。
涙点プラグ挿入は痛みもほとんどなく1~2分で終わります。もし、入れたあと異物感が強かったり、逆に涙がたまりすぎる場合は簡単に取ることもできますので、ご希望があれば眼科でご相談下さい。

まつ毛は異物から眼を守る役割を果たしていますが、加齢等の影響によって、細くなったり減ってくることがあります。また、美容的な観点からも、長く、豊かで、濃いまつ毛ほど心理的に好まれる傾向にあると考えられています。
約2年前から、まつ毛を太く、長く、濃くするお薬(塗り薬)が発売されています。このお薬は緑内障の点眼治療薬の成分が含まれていて緑内障治療薬を使用している人は、まつ毛がフサフサしているという副作用に注目し開発されました。
約170人を対象に臨床試験を行った結果、薬を4カ月間使用した人の、約80%の人が「長さ」「太さ」「濃さ」などの改善が見られたそうです。まつ毛が不十分であったり、もの足りないという症状を改善し、まつ毛でお悩みの患者さんのQOL(Quality of Life;生活の質)を向上させることが期待されています。
ただ、このお薬は保険適用外医薬品となりますので、自由診療処方で通常の保険適用のお薬よりお値段が高くなります。また、医師の処方箋が必要な医療用医薬品であり、効果を得るには正しく安全にご使用いただくことが重要となります。

白内障とは、眼の中にある水晶体というレンズが白く濁ってしまう病気です。
病気といってもほとんどの方は加齢にともなう変化ですので、個人差はありますが誰でも歳を重ねれば少しずつ濁ってきます。加齢以外の原因としては、アトピー、外傷(目のけが)、ステロイドというお薬の副作用、放射線、糖尿病などがあげられます。
自覚症状は視力低下、かすみ、まぶしさなど様々です。
治療ですが、初期の方は点眼もしくは内服薬で進行を遅らせる方法もありますが、点眼、内服では一度濁った水晶体を元のように透明にすることはできません。
根治治療は手術によって濁った水晶体をとって透明な人工の眼内レンズに入れかえます。白内障以外に眼に大きな病気がなければ、ほとんどの人はすっきり見やすくなります。
手術の時期ですが、急いでやった方がいい場合もありますが、原則的には見え方が悪く日常生活に支障が出たときでよろしいかと思います。

花粉対策としてメガネやマスクを装着すると、非装着時と比べて、鼻や眼に入る花粉の数を半分以下に抑えることができますので、外出時はメガネ(花粉対策のものも市販されています)、マスク、帽子を着用するとよいでしょう。
また、帰宅時に衣類や髪に付いた花粉を払い落とす、帰宅後は手洗い、うがい、洗顔を心掛ける、洗濯物、布団は花粉を払い落としてから取り込む、などを心がけるようにしましょう。  
アレルギー性結膜炎のなかでも、症状の出やすい時期が予測できる花粉などが原因のアレルギー症状の場合には、『初期療法』という考え方が適用されます。症状が出る前の、花粉飛散時期の約2週間前から、または症状が少しでもあらわれたら、抗アレルギー点眼薬による治療を始める方法で、花粉飛散ピーク時の症状が軽くなります。毎年花粉症がひどい場合は、症状があらわれる前に点眼を始めることをお勧めします。

緑内障は眼圧の上昇などにより視神経と網膜が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気です。
この病気の怖いところは、自覚症状がほとんどなく、知らないうちに進行してしまう事です。40歳以上の20人に1人が緑内障にかかっていて、しかもその9割が気付かないまま治療を受けていないと推定されています。
治療は主に点眼薬により眼圧を下げ、これ以上視野が狭くならないように進行を遅らせます。一度障害された視神経はもとにもどらないので、良くはなりません。あくまでも進行予防になります。点眼治療でも眼圧が下がらない方は手術をして眼圧を下げます。早期に発見し、治療を開始することが最も重要です。現在の高齢化社会において緑内障は失明原因の第一位を占めておりますが、適切な治療を受けることで進行を遅らせて一生涯不自由なく生活できるようにしたいものです。
大切な目を守るために、40歳を過ぎたら一度眼科で検査を受ける事をお勧めします。

ドライアイはその病名から「目が乾く」だけの症状と誤解されがちです。しかし実際には「ゴロゴロする」「痛い」「充血する」「違和感がある」「疲れる」「かすむ」「まぶしい」「なんとなく見えにくい」など様々な症状がドライアイと関連している事があります。「涙が出る」という一見ドライアイと逆の症状も実はドライアイが原因の事もあります。エアコンの乾いた風の中でパソコンやスマートフォンを長時間見続けるといった現代社会のスタイルの変化がドライアイになるリスクを高めています。
治療は点眼を用いることが中心です。市販の目薬で対処している方もいらっしゃると思いますが、防腐剤が含まれている場合があり、それがドライアイを悪化させてしまうケースもありますので、症状が改善しない場合は眼科医にご相談下さい。最近では涙の量や質を改善する点眼薬だけでなく、粘膜の正常化を促す点眼薬も使えるようになっています。点眼薬でも改善しない場合は涙の逃げ道である涙点を「涙点プラグ」というもので塞ぎ、目の表面に涙を貯める方法もあります。

スギの飛散は2~4月なので終わっていますが、カモガヤというイネ科の植物が5~7月に飛散します。スギ花粉症の半数の人がカモガヤ花粉症も持っていると言われていますので、カモガヤが原因のアレルギー性結膜炎かもしれません。眼がかゆくなるのはアレルギー性結膜炎の特徴です。
ところで、自分が何に対してアレルギーを持っているかご存知でしょうか?様々な植物の花粉、ハウスダスト(主にダニ)、犬、猫などの動物、食べ物など多くのアレルゲンがあります。
アレルギーの検査は一般的な腕からの採血で調べる事もできますし、最近では採血が難しいお子さんでも指先に針を刺し、ごく少量の血液だけで調べる事もできるようになりました。痛みも少なく20分で結果が分かるので、お子さんでも一度調べておくといいかもしれません。原因が分かれば対策も立てやすいでしょう。例えば、花粉が原因の場合は外出時にメガネやマスクをしたり、ハウスダストの場合はこまめに室内の掃除をしたり、ふとん、枕にカバーをかけるなどの工夫も役に立ちます。

屈折異常には近視、遠視、乱視があります。大人で目が悪い(視力が悪い)というほとんどの方は近視(近眼)による裸眼視力の低下だと思われますが、眼鏡やコンタクトレンズをすれば見え方が良くなると思います。子供でも小学生~中学生で近視が進む人は多いですが、眼鏡やコンタクトをすれば問題ありません。
ところが、小さいお子さんで強い遠視や乱視がある人は眼鏡をかけてもよく見えません。これがいわゆる弱視と言われる状態です。視力の発達は生後すぐから6歳ぐらいまでがとても大事で、この期間に見えないまま過ごしてしまうと、いくら大人になってから眼鏡をかけても視力が上がりません。
そういった意味で、三歳児健診で遠視、乱視を指摘された方はこの時期から眼鏡をかけて視力を育てていく必要があります。大人になっていざ車の運転免許を取ろうとしたら、眼鏡をかけても視力が悪く、免許がもらえなかったという方もいますので、眼鏡をかける時期を逸さないようにしましょう。

白内障とは、眼の中にある水晶体というレンズが白く濁ってしまう病気です。
病気といってもほとんどの方は加齢にともなう変化ですので、個人差はありますが誰でも歳を重ねれば少しずつ濁ってきます。自覚症状は、視力低下、かすみ、まぶしさなど様々ですが、白内障が非常にゆっくり進行した場合は無症状のこともあります。
治療ですが、初期の方は点眼もしくは内服薬で進行を遅らせる方法もありますが、点眼、内服では一度濁った水晶体を元のように透明にすることはできません。
根治治療は手術によって濁った水晶体をとって透明な人工の眼内レンズに入れかえます。白内障以外に眼に大きな病気がなければ、ほとんどの人はすっきり見やすくなります。
手術すれば白内障が再発することはありませんが、眼内レンズを入れた袋が濁る事があります。これは後発白内障と呼ばれるもので、レーザー治療により濁りをとることで視力が回復します。

飛蚊症とは、文字通り蚊が飛んでいるように見える事もありますし、髪の毛のように細長く見えたり、カエルの卵みたいに半透明に見える事もあります。
眼の中には硝子体という透明なゼリー状の物質がふくろ(硝子体膜)につつまれて入っています。そのふくろは目の中で網膜にへばりついています。このふくろが年々収縮していき、おおよそ50~65歳ぐらいで網膜からはがれます(後部硝子体剥離)。この際、ふくろについてきた網膜の細胞が自分で見えることがあり、これが飛蚊症の正体です。
後部硝子体剥離に伴う飛蚊症(生理的飛蚊症)は医学的には問題ありません。徐々にうすくなっていき、さほど気にならなくなっていく事が多いです。後部硝子体剥離が起こる時に、たまたま網膜の一部と後部硝子体が強く癒着していると、その部分の網膜が強く引っ張られて、網膜に裂け目ができます(網膜裂孔)。網膜裂孔ができると、そこから眼内の水分が網膜の下にまわり、網膜剥離になってしまいます。ゆえに、この網膜裂孔が発生している場合は、レーザーによる治療が必要となります。

近視の発症については、遺伝要因と環境要因の2つが関与していると言われています。遺伝は親から受け継がれるもので、遺伝要因で視力が低下する場合は、小学校の低学年といった比較的早い時期から視力が下がり始めることが多いようです。
一方、環境要因での視力低下は、小学校高学年から視力が悪くなることが多く、その多くは近くを見ること(近見作業)が多いためと考えられています。子供の眼球はおよそ18歳までが成長期であり、特に12歳までの眼球の成長は大きく、その期間に近見作業(勉強、読書、テレビ、携帯型ゲームなど)が多いと、近眼になると考えられています。勉強・読書はやむを得ないとして、その時の姿勢には十分気を付けて、目が近くならないようにしましょう。特に、寝転んでの読書や暗い所での勉強はさけるようにしましょう。テレビやTVゲームは画面から離れるように心掛け、ゲームにおいては30分で休憩を入れましょう。特に携帯型ゲームの目への負担は問題で、視力が下がり始めているお子さんは控えた方が良いと思われます。

緑内障は眼圧の上昇などにより視神経が障害され、視界の一部分がぼやける病気です。
初期のうちは自覚症状がないのですが、進行すると見えづらい範囲が多くなり生活に支障をきたすことがあります。さらに進行すると全く見えない、失明状態にもなりえます。
一度障害された視神経はもとにもどらないので、緑内障は治らない病気と言えるでしょう。
ですので、早期に発見し、治療を開始することが最も重要です。眼圧がもともと高い方、血縁者に緑内障の方がいる方、近視が強い方は発症しやすいと言われていますので特に注意が必要です。
現在の高齢化社会において緑内障は失明原因の第一位を占めておりますが、適切な治療を受けることで進行を遅らせて一生涯不自由なく生活できるようにしたいものです。
大切な目を守るために、発見の機会となる健診などを積極的に受け、40歳を過ぎたら一度眼科で検査を受ける事をお勧めします。