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街のお医者さん相談室

体・心・病気の悩みなどの医療相談を、街のお医者さんに出演いただいた先生がお答えします。

のむら耳鼻咽喉科クリニックの野村正猛院長に聞きました!

つくば市東新井25-2-2F
TEL: 029-856-8733

耳鼻咽喉科

通称「花粉症」と呼ばれているのは、スギ花粉アレルギーの事です。それ以外にも、ほぼ1年を通して何等かの植物の花粉が飛散しており、アレルギー症状の原因となっています。
1月頃から3月頃まではハンノキ、4月頃からはヒノキなどの花粉が飛散します。これらの花粉に対して、鼻炎のほか、目・のど・皮膚の症状が出る患者さんがいらっしゃいます。
初夏あたりからは、イネ科の植物の花粉(カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ)、8月頃から秋にかけては、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの花粉が飛散します。
症状は前出の花粉症状とほぼ同じですが、ブタクサについては喘息の原因になることもあるので注意が必要です。
花粉以外では、通年性のアレルギーとしてダニ、ペット類、ハウスダストなどがあげられます。症状は他のアレルギーと同じです。

風邪をひいた後に耳だれが出るのは、中耳炎を発症したものと考えます。
中耳炎は子供の病気と思われがちですが、大人でも発症することがあります。子どもに中耳炎が多いのは耳管が未熟で、大人よりも短く、太く、まっすぐなために鼻や喉の影響を受けやすいからです。しかし一方で、大人でも細菌やウイルスなどによる鼻・のどの風邪をひいたときにかかる場合があります。鼻水などで出口がふさがれ、細菌やウイルスが本来の方向とは逆の耳菅に向かってしまうからです。そして、それらが中耳に達し炎症が起こります。
中耳炎を防ぐために気を付けることは、きちんと鼻をかんで、細菌やウイルスが耳管に届かないようにすることです。ただし、耳だれが出ている場合はすでに中耳炎を発症していると考えられますので、治療をすることをお勧めします。中耳炎が十分に完治しないままにしておくと、鼓膜の内側にたまった膿が浸出液として残ってしまう可能性があり、治療も長引きますので注意しましょう。

一般的に風邪は、のどにウイルスが感染しておこる病気で、多くの人は自宅で安静にしていると自分の体からウイルスをやっつける抗体ができ治っていきます。
しかし、そこに細菌の感染が加わるとなかなか風邪が治らず、発熱が続き、のどの痛みが治まらないケースがあります。その状態が咽頭炎です。
風邪をひいても仕事や学校、育児で忙しく、なかなか安静にしていられない方が感染する場合が多いです。
ウイルスや細菌は、手を媒介して口へ、また口呼吸をすることによって口の中へ入ってきます。そのため、うがい・手洗いをしてまず風邪にかからないように気を付けることが大切です。
もし風邪をひいてしまったら、早めに通院し適切な処置を受けましょう。そして、咽頭炎が併発しないように、その間もうがいと手洗いを徹底しましょう。

中耳炎は子供の病気と思われがちですが、大人でも発症することがあります。
子どもに中耳炎が多いのは耳管が未熟で、大人よりも短く、太く、まっすぐなために鼻や喉の影響を受けやすいからです。一方、大人でも、細菌やウイルスなどによる鼻・のどの風邪をひいたときにかかる場合があります。鼻水などで出口がふさがれ、細菌やウイルスが本来の方向とは逆の耳管へと向かってしまうからです。
また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による耳管の粘膜の腫れ、アデノイドなどによる耳管の圧迫で耳管の働きが悪くなっている場合も注意が必要です。
中耳炎を防ぐために気を付けることは、きちんと鼻をかんで、細菌やウイルスが耳管に届かないようにすることです。それから、耳の奥が痛いと思っても、実際は手前のところが炎症を起こしていて外耳炎という場合もあります。そのため、一度耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

まず副鼻腔炎の可能性が考えられます。鼻のあな(鼻腔)と副鼻腔のつながっている場所の粘膜が炎症で腫れるなどして塞がると、副鼻腔が換気不全を起こします。換気が妨げられると副鼻腔内で細菌が増殖し、粘膜の炎症がますます強くなります。炎症が強くなると粘膜のせん毛の動きが阻害されて分泌物が固有鼻腔に排泄されなくなるため、ずっと詰まっているような感覚があるのかもしれません。
また、上咽頭炎の可能性も考えられます。上咽頭はのどの一番上、のどちんこの裏にある部分です。鼻腔を通る空気はすべて上咽頭を通ることになり、免疫の要としての役割がある一方、空気中のゴミや異物により絶えず危険にさらされてもいるのです。そのため細菌やウイルスの感染が起こりやすく、喉だけではなく鼻に違和感が出る方もいます。
ただ最悪の場合、鼻のがんや上咽頭がんといった可能性もあるので、一度、耳鼻咽喉科での受診をお勧めします。

のどの違和感があって耳鼻科に受診しても異常がみつからないということからまず考えられるのは、喉の異常感症です。
のどの違和感があるのに、いろいろ調べても原因がはっきりせず浮上する病気です。傾向として比較的多く見られるのは、自律神経のバランスや女性ホルモンのバランスの乱れ(更年期障害)が見られる方です。
また、後鼻漏が原因の場合もあります。後鼻漏とは過剰に分泌された鼻水が喉までおちてくる状態のことです。その落ちてきた鼻水によって喉に違和感・不快感といった症状が出ます。副鼻腔炎、又はアレルギー性鼻炎などから起こります。
それ以外に考えられるのは、特殊な例ですが、腫瘍が原因の場合です。

補聴器は、装用前に一人一人に合わせて調整します。聴力検査の結果や年齢、ライフスタイル等の重要な情報を考慮して一つの設定が提案され装用にいたります。
しかし、時が経つにつれ、個人差はありますが、設定した当初の情報が変わることにより聞こえの状況が変わってくるのです。そのため、今までより聞こえが悪くなったとか違和感があるなと感じた時は、補聴器の調整が必要になります。
調整は、補聴器を購入したお店でできるのですが、時として、耳垢が原因であったり、中耳炎などの病気が原因であったりする場合もあります。そのため、調整の前に耳鼻咽喉科を受診し、耳の中に問題がないかどうかを調べることをお勧めします。
また、補聴器の耐久年数は、だいたい4年から5年となっています。使用年数がそれよりも長くて聞こえが悪いという場合は、補聴器そのものに問題が出てきた可能性も考えられます。

外耳道炎(外耳炎)は耳の入口から鼓膜までの部分に炎症が起こる病気で、耳掃除のしすぎが原因の一つと考えられます。
耳掃除などによってできた傷を不衛生な手でさわってしまい、その手についたばい菌の感染で発症することがほとんどです。そのため、第1の予防法は耳掃除のしすぎに注意することです。確かに耳掃除は気持ちの良いものですからついやりすぎてしまいますが、本来は頻繁にしなくても問題はありません。
耳垢は内側から外側へと自然に出てくるものですので、目安としては2週に1度程度でよいと思います。特に肌が弱い方の場合、耳掃除によって耳に傷がつきやすいので注意が必要です。
また、外耳道炎が治りかけの時に耳掃除をしたり、患部が気になって触ったりしてしまうと再発する可能性がありますので、十分ご注意ください。

残念ながら、外耳炎は放っておいて治ることはほとんどありません。
外耳炎は、耳掃除のやりすぎでできる傷や、ばい菌などの感染で発症する場合がほとんどです。そのため、患部が気になり不衛生な手で触ってしまうと、再発させてしまう可能性があります。
また、症状は外耳炎に似ているけれども、原因がカビ(真菌)の外耳道真菌症である場合もあります。その場合は、カビ(真菌)を患部から完全に取り除かなければ治りません。耳の中はカビ(真菌)が発育しやすい湿潤な環境なので、完治するまで時間がかかる場合が多いです。それ以外には、外耳道(耳の穴の入口から鼓膜までの間)の皮膚が感染をおこし湿疹ができる外耳道湿疹の場合もあります。
まずは炎症が起きている原因が何かをつきとめることが大切で、それによって治療方法や完治までの時間も変わってきます。そのため、酷い状態になる前に受診をおすすめします。

鼻の洗浄は、アレルギー性鼻炎をある程度和らげるのに有効です。
アレルギー性鼻炎の原因となるアレルゲン(抗原)は、鼻粘膜に付着したのちマスト細胞の抗体とくっつきます。そして再度アレルゲンが鼻から侵入すると、ヒスタミンなどのアレルギー誘発物質を放出し鼻の中を刺激するため、くしゃみや鼻づまりの症状が発症するのです。この鼻粘膜に付着したアレルゲンを洗い流すことで、症状が緩和されます。
鼻うがい(鼻洗い)は自作の食塩水を使用することもできますが、塩分濃度や容器の衛生面に気を付けなければなりませんので、初めての方は、まず市販の洗浄液を試してみると良いでしょう。ただし、風邪を引いているときの鼻うがいは、中耳炎を起こす可能性があるのでお勧めしません。アレルギー症状がある時は、風邪をひいていても気が付かない場合があります。そのため、受診をしてアレルギー症状による鼻づまりであることを確認してから始めた方がよいでしょう。

急に鼻血が出たら、まずは正しい方法で止血を試みましょう。
最初に、小鼻を親指と人差し指で強くつかみ圧迫します。目頭や、小鼻より上にある鼻骨(骨のある硬い部分)をつまむのは誤りです。また、ティッシュや脱脂綿などを詰めてしまうと取り出す時にかえって粘膜が傷つくので、何も詰めずにおさえてください。
次に椅子に腰かけ、頭を軽く下げた状態で安静にします。上を向くと、のどに流れた血を飲み込んでしまい気分が悪くなって嘔吐の危険性があるためです。もしものどに血液が流れてきた場合は、静かに吐き出し、できるだけ飲み込まないようにしてください。
そして、そのままの姿勢で5~10分程度様子を見ましょう。それでも血が止まらない場合は、できるだけ血を飲み込まないよう注意して、冷やしながら来院してください。

花粉症(スギ花粉アレルギー)の症状が出にくい年と強く出る年があるのには、様々な要因があります。まずは、質問の方もご存知の花粉の量です。花粉は、7月の平均気温が高い年の翌年に多く飛ぶ傾向にあります。逆を言えば、冷夏の翌年は、花粉の量が少なくなる可能性が高いということです。
しかし、夏の気温がそれほど高くなく秋から冬にかけて寒い日が続いていても、花粉症シーズン中に急に暖かくなると花粉が飛び始め、飛散量に関係なくアレルギー反応が出やすくなります。
また、花粉が少ないという予報が出た年でも、風の強い日が続くと花粉が飛びやすいので注意が必要です。
今年に限っては、昨夏の気温が高く花粉の飛散量が多くなると予報が出ているため、例年以上に早めの対策が必要となると考えられます。

喉がつかえていて不快であるのに検査をしても異常がない、という結果だったことからまず考えられるのは、喉の異常感症です。
のどの違和感があるのに、いろいろ調べても原因がはっきりせず浮上する病気です。傾向として比較的多く見られるのは、自立神経のバランスや女性ホルモンのバランスの乱れ(更年期障害)が見られる方です。
また、後鼻漏が原因の場合もあります。後鼻漏とは過剰に分泌された鼻水が喉までおちてくる状態のことです。その落ちてきた鼻水によって喉に違和感・不快感といった症状が出ます。副鼻腔炎、又はアレルギー性鼻炎などから起こります。
それ以外に考えられるのは、特殊な例ですが、腫瘍が原因の場合です。
ご心配であれば、一度、耳鼻咽喉科を受診なさることをお勧めします。

耳かきはとても気持ちがいいですよね。ただ、毎日耳かきをしてしまうと、耳の中が炎症を起こして外耳炎になりやすくなります。そもそも、耳垢は内側から外側へと自然に出てくるものです。そのため、耳掃除は2~3週に1回程度で良いでしょう。
また、耳掃除にはポイントがあります。ほとんどの方が耳の中が見えない状態で耳掃除をするのですが、そのような状況下では、耳垢をとるどころか奥に押しやってしまうことも多くみられます。そして、それが蓄積して塊となることがあり、ご自身で取り除くことが難しくなってしまいます。
そのような状態を回避するためにも、綿棒などで擦りすぎないようにしましょう。また、奥まで掃除しようとせず、耳の入口の辺りに溜まっている耳垢を外に出すようなイメージで気を付けて汚れを取り除きましょう。もし、奥にたまってしまい取れない時は、無理をせずに、一度耳鼻咽喉科にご相談ください。

風邪は主にウイルス感染から起こり、治療を始めてから数日で症状が軽減されます。しかし、1か月も鼻水が続くのであれば、ウイルスだけでは無く細菌の感染も考えられます。
風邪を引いているときの鼻水はさらさらですが、細菌感染が加わると粘り気のあるものに変わっていきます。粘度のある鼻水は、特にお子さんの場合、鼻をかんでもなかなか上手く外へ出すことができません。すると、出口をブロックされた細菌がそのまま鼻と鼻の奥(副鼻腔)に居座るため、頬・目の奥・眉間の痛み、頭痛、目の周りや頬の腫れといった症状が出てくる場合もあります。また、その細菌が、耳と鼻をつなぐトンネル(耳管)を通って中耳方向へ向かうと中耳炎を発症しますので、注意が必要です。そのため、鼻水が長引くようであればお子さんを早めに耳鼻咽喉科へ受診させ、中耳炎の発症を未然に防ぐようにしましょう。

片耳だけ急に聞こえが悪くなったという症状から、突発性難聴が疑われます。ある日突然聞こえが悪くなり、耳鳴りやめまいを伴うこともある病気です。
発症原因は完全には解明されていませんが、内耳や聞こえの神経のウイルス感染、血流障害などが指摘されています。よって、疲れやストレスで自律神経のバランスが崩れ、血流が悪くなる方が比較的発症しやすい傾向にあります。また高血圧(動脈硬化)や糖尿病の方も血流が悪い傾向にあり発症するケースが少なからず見られます。
治療は、ステロイドの投与を点滴や飲み薬で行います。また、血流を改善する薬「ビタミンB」も内服していただきます。その治療で聴力の改善は約6割といわれています。そして、2〜3ヶ月すると聴力は固定し、再発が少ないといわれています。しかし、治療開始が遅れると効果がかなりさがってしまう病気のため、できるだけ早く(少なくとも1週間以内)に治療を始めることが大事です。

鼻水は健康な人でも1日に2~6リットルが体内で作られ、その約3割は鼻の後方から喉に流れ落ち、本人が無意識に飲み込んでいると言われています。これが後鼻漏です。
後鼻漏があること自体は病気ではなく、健康な方でも生じている生理的なものです。ただし、喉の奥に溜まって気持ち悪いという症状があることから、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎等が原因の後鼻漏の可能性があります。
それらの病気がある場合、鼻水の量が健康時よりも増え、喉に流れ落ちる後鼻漏の量も多くなります。また、喉に溜まった後鼻漏は、粘り気を増してくるため不快感も強くなります。
まずは、その不快感の原因は何なのかを見極めるため受診することをお勧めします。そしてご自身にあった治療を受けることにより、不快感の軽減が期待されます。

リモートでの仕事や勉強のためにイヤホンを長時間使用する方が増えるにつれて、耳の痛みや痒み等の症状で受診される方が増えています。
耳の入口から鼓膜につながる部分を外耳道といいますが、皮膚が薄くデリケートです。イヤホンは外耳道に密着させて使用しますので、長時間装着すると蒸れて痒くなり、そこを指で触れることによって、細菌が付着し外耳炎になることがあります。
イヤホンによる装着時の摩擦により外耳炎が起こることもあります。また、仕事環境の変化によるストレスで免疫がおち、もともと体に常在しているおとなしいカビ(真菌)が暴れ出して外耳道真菌症になることもあります。対処法ですが、まずは、その患部を治療し完治させることが重要です。治りかけにイヤホンを付けてしまうと、病気が再発し、痛みが続いてしまう可能性が高いためです。
完治まではイヤホンを付けない方がいいのですが、お仕事でどうしてもイヤホンを使わなければならない場合は、例えば、カナル式ではなく耳掛け式のイヤホンやヘッドセットを使うのも良いかもしれません。ただ、どんな形状のものを使うにしろ、イヤホンの使い過ぎには注意が必要です。

病気として考えられるのが主にアレルギー性鼻炎と副鼻腔炎です。
アレルギー性鼻炎は、この時期であるとスギ花粉がアレルゲンとして有名ですが、1年を通して症状がある場合は、ハウスダスト、ダニ、カビ、動物(ネコ、イヌなど)が原因の可能性があります。これまではアレルギーなどなかったという方でも、突然、以外なものに対してアレルギー反応が出る場合があります。
治療ですが、まずは、原因となるアレルギーの物質を血液検査で調べます。検査結果によって、薬の内服やステロイドの点鼻を行います。
副鼻腔炎は、風邪をひいた後に起こることが多い病気です。風邪は当初ウイルス感染が主ですが、その後細菌の感染が鼻の粘膜や副鼻腔に加わると炎症が生じます。
治療ですが、まずは厚生物質の内服で細菌の感染を抑えます。痛みがある場合は、痛み止めの内服で症状を抑えます。

一般的に言われる蓄のう症とは慢性副鼻腔炎のことで、鼻腔周囲にある大小の空洞(副鼻腔)が細菌感染したことにより炎症がおこり、膿がたまった状態が慢性化する病気です。
残念ながら、蓄のう症(慢性副鼻腔炎)が自然に完治することはありません。副鼻腔炎には急性と慢性があり、急性副鼻腔炎の早い段階で治療を始めれば1~2週間で治すことが可能です。急性副鼻腔炎は風邪を引いた後に発症することが多いため、風邪の症状の一つと考えてしまいがちです。膿のような鼻汁や頭痛、発熱などの症状がある時は、早めに耳鼻咽喉科に受診することをおすすめします。
また、その炎症が取り切れず残存すると、いつまでも膿のような鼻汁や鼻づまりが治らず慢性的になります。この段階を慢性副鼻腔炎と呼び、完治までに数か月を要します。
治療として、抗生剤の内服とあわせてネブライザーを行います。痛みがひどい場合は、痛み止めの内服で症状を抑えます。多くはその治療で改善しますが、重症化すると鼻にポリープができてしまい、鼻づまりや膿のような鼻汁が続いたりする方もいます。そういった場合は、手術が必要なケースもあります。

扁桃炎を起こすと、会社や学校を休んだり、人によってはその期間入院したりしなければならなくなります。それが1年に4~5回もしくはそれ以上繰り返す場合は手術を一考したほうが良いかもしれません。
手術をして取った場合のデメリットですが、①術後の痛みが強い、②入院が必要、③術後出血した場合は再手術が必要等です。痛みは個人差が大きく、長い場合は1週間以上にわたって現れます。入院は10日間程度必要ですが、一回扁桃腺をとってしまえば、扁桃炎によって起こる発熱やのどの激しい痛みはなくなります。ただし、のどの粘膜が腫れて熱が出たりのどが痛くなったりすることは起こります。
また、扁桃腺は気道にありむき出しの状態のため、何かの衝撃(例えば咳等)で、手術後、除去箇所から大量に出血する場合があります。少しであればそのまま様子を見るのですが、大量の術後出血が起こった場合は再手術が必要となります。これら以外のデメリットとしては、舌を押し付けて手術を行うため味覚障害や舌麻痺が一定期間おこる場合が稀にあり得ることです。扁桃腺除去手術を希望される場合は、一度ご相談ください。

この病気は、急性中耳炎が十分に完治しないまま鼓膜の内側にたまった膿が浸出液として残って発症するケースが多いです。
通常、中耳炎の膿は、中耳と鼻をつなぐトンネル(耳管)を通りのどの方に排出されます。しかし、そのトンネル(耳管)が中耳炎と共に感染し炎症を起こすとその働きが悪くなります。耳管は通常、口を動かしたりすると自然に開くのですが、炎症をおこすとその開きが悪くなり中耳にたまった膿を排出しにくくなります。炎症はウイルスや細菌の感染だけでなく、アレルギー性鼻炎によるアレルギーでも起こります。
治療ですが、まずは炎症をおさえるマクロライドという抗生剤の服用とネブライザーによる治療を行います。アレルギーがある場合は抗アレルギー薬も服用します。また、通気療法といって、耳管に鼻から空気を送り込んで、たまった浸出液の排泄を促す治療も行います。それでも改善の無い場合は、鼓膜切開が必要となります。

耳かき中に急に痛がった場合、原因として2つ考えられます。鼓膜損傷と外耳道の損傷です。
ご質問のようなケースでは、外耳道損傷が原因の場合が多く見られます。治療には、傷から菌が侵入するのを防ぐため、抗菌の点耳薬を投与します。だいたい1~2週間程度で治癒する傾向にあります。
鼓膜だけが破れた場合、多くは自然に塞がって治りますので経過観察をします。その一方で、傷からの感染を予防するため点耳薬を投与します。まれに鼓膜の内側の骨である耳小骨(じしょうこつ)に損傷を受けたり、中耳の奥にある内耳にまで損傷が及んでいることがあります。そういった場合、難聴などの後遺症を残すこともありますので、痛みの他に症状がないか詳しく問診をし、当院の場合はファイバースコープ(内視鏡)で耳の状態の写真をとり、場合によっては聴力検査をして診断します。
もしご質問のようなケースが起こった場合は、すぐ耳鼻咽喉科に受診することをお勧めします。

長時間のイヤホン装着により蒸れて痒くなり、そこを指で触れることによって、ばい菌が付着し外耳炎になる例が最近多くなっています。また、イヤホンによる装着時の摩擦により外耳炎が起こることもあります。それ以外にも、仕事環境の変化によるストレスで免疫がおち、もともと体に常在しているおとなしいカビ(真菌)が暴れ出して外耳道真菌症になることもあります。
対処法ですが、まずは、その患部を治療し完治させることが重要です。治りかけにイヤホンを付けてしまうと、病気が再発し、痛みが続いてしまう可能性が高いためです。痛みがばい菌、真菌、どちらの感染かによって治療方法も違いますので、きちんと原因をつきとめて治療することが大切です。
完治まではイヤホンを付けない方がいいのですが、お仕事でどうしてもイヤホンを使わなければならないという場合は、例えば、カナル式ではなく耳掛け式のイヤホンやヘッドセットを使うのも良いかもしれません。ただ、どんな形状のものを使うにしろ、イヤホンの使い過ぎには注意が必要です。

残念ながら、外耳炎は放っておいて治ることはほとんどありません。外耳炎は、耳掃除のやりすぎでできる傷や、ばい菌などの感染で発症する場合がほとんどです。そのため、患部が気になり不衛生な手で触ってしまうと、再発させてしまう可能性があります。
また、症状は外耳炎に似ているけれども、原因がカビ(真菌)の外耳道真菌症である場合もあります。その場合は、カビ(真菌)を患部から完全に取り除かなければ治りません。耳の中はカビ(真菌)が発育しやすい湿潤な環境なので、完治するまで時間がかかる場合が多いです。
それ以外には、外耳道(耳の穴の入口から鼓膜までの間)の皮膚が感染をおこし湿疹ができる外耳道湿疹の場合もあります。
まずは炎症が起きている原因が何かをつきとめることが大切で、それによって治療方法や完治までの時間も変わってきます。そのため、酷い状態になる前に受診をおすすめします。

まず考えられるのが、温度差によるアレルギー反応です。日中はぽかぽかと暖かいのに、夕方から急に冷えこむと、その温度差が刺激となって鼻粘膜の毛細血管が広がり粘膜が腫れることで、鼻水、鼻づまりやくしゃみなどの症状を引き起こします。鼻水の状態は水っぽくてさらさらしています。この症状は、寒暖差が7度以上になると出やすいといわれています。症状が重い場合には、抗アレルギーの内服薬やステロイドの点鼻薬などを処方する場合もあります。
もしも鼻水の症状が屋内で出始める場合は、ハウスダスト、ダニ、カビのアレルギーが考えられます。鼻水の状態は、無色透明ですが、悪化すると黄色っぽくなることもあります。上記のアレルゲンの中で、特にカビに関してですが、加湿器や空気清浄機を通して家の中に拡散させてしまう恐れがありますので注意が必要です。加湿器や空気清浄機はこまめに掃除をして、給水口やフィルターなどにカビが生えていないかよく確認して使用するようにしましょう。
鼻水の症状が重くて気になる場合には、一度、耳鼻咽喉科を受診してください。

風邪をひいた後に耳だれが出るのは、中耳炎を発症したものと考えます。
中耳炎は子供の病気と思われがちですが、大人でも発症することがあります。子どもに中耳炎が多いのは耳管が未熟で、大人よりも短く、太く、まっすぐなために鼻や喉の影響を受けやすいからです。しかし一方で、大人でも細菌やウイルスなどによる鼻・のどの風邪をひいたときにかかる場合があります。鼻水などで出口がふさがれ、細菌やウイルスが本来の方向とは逆の耳菅に向かってしまうからです。そして、それらが中耳に達し炎症が起こります。
中耳炎を防ぐために気を付けることは、きちんと鼻をかんで、細菌やウイルスが耳管に届かないようにすることです。ただし、耳だれが出ている場合はすでに中耳炎を発症していると考えられますので、治療をすることをお勧めします。中耳炎が十分に完治しないままにしておくと、鼓膜の内側にたまった膿が浸出液として残ってしまう可能性があり、治療も長引きますので注意しましょう。

外耳道炎(外耳炎)は耳の入口から鼓膜までの部分に炎症が起こる病気で、耳掃除のしすぎが原因の一つと考えられます。
耳掃除などによってできた傷を不衛生な手でさわってしまい、その手についたばい菌の感染で発症することがほとんどです。
そのため、第1の予防法は耳掃除のしすぎに注意することです。確かに耳掃除は気持ちの良いものですからついやりすぎてしまいますが、本来は頻繁にしなくても問題はありません。
耳垢は内側から外側へと自然に出てくるものですので、目安としては2週に1度程度でよいと思います。
特に肌が弱い方の場合、耳掃除によって耳に傷がつきやすいので注意が必要です。
また、外耳道炎が治りかけの時に耳掃除をしたり、患部が気になって触ったりしてしまうと再発する可能性がありますので、十分ご注意ください。

耳鼻咽喉科が関係するめまいで受診した方が良いのは、めまいの症状に加えて耳鳴りがしたり聞こえが悪くなったりしている方です。そういった症状がある場合、突発性難聴やメニエル病の可能性があります。特に突発性難聴である場合は、治療開始が遅れるほど治療効果が下がってしまう病気なので、できるだけ早め(少なくとも1週間以内)に受診し治療を始めることが大切です。
寝たり起きたり、寝返りをうったりする際に数分間ぐるぐる回転するめまいが突然生じる場合は、良性発作性頭位めまい症という病気が考えられます。このようなめまいは吐き気や嘔吐をおこしやすいので、パニックにならず、まず落ち着いて横になってみましょう。それでも症状が改善されない場合は受診をしてください。
また、数日間続くめまいの場合は前庭神経症や内耳炎等の病気が考えられます。前庭神経症の場合、座っていても寝ていてもぐるぐる回るめまいが数日間続きますので、かなりつらいと思います。難聴や耳鳴りを伴わないめまいの場合はこの病気の可能性もありますので、早めの受診をおすすめします。

耳鳴りは、内耳やストレスなど身体の何らかの病気が原因となって、片方もしくは両方の耳から特定の音がうるさく鳴ることを指します。その状態が、一時的な場合と継続してなる場合があります。
耳鳴りの治療には、まずその原因をつきとめることが重要です。現在の医学では根本的な耳鳴りの原因の体系について完全に確立されていない為、原因をつきとめるのに難渋する場合が多々ありますが、ある程度特定することができれば、それに応じた治療を行っていくことが可能です。体の一部の異常であったり、精神的なものであったりと、様々な病気が組み合わさっている場合があるので、治療法は患者さんによって千差万別です。
現時点では、全ての耳鳴りに効く特効薬は残念ながらありません。一般的な治療法としては、血管拡張剤やビタミン剤、精神安定剤などの内服療法や、症状がひどい時は点滴を行う場合があります。ただ、患者さんの耳鳴りの原因により効果の度合いは異なります。ですから、治るものも治らないものも両方あります。上で述べたように、まずは原因の特定が必要だと言えるでしょう。

耳かきはとても気持ちがいいですよね。ただ、毎日耳かきをしてしまうと、耳の中が炎症を起こして外耳炎になりやすくなります。
そもそも、耳垢は内側から外側へと自然に出てくるものです。そのため、耳掃除は2~3週に1回程度で良いでしょう。また、耳掃除にはポイントがあります。ほとんどの方が耳の中が見えない状態で耳掃除をするのですが、そのような状況下では、耳垢をとるどころか奥に押しやってしまうことも多くみられます。そして、それが蓄積して塊となることがあり、ご自身で取り除くことが難しくなってしまいます。
そのような状態を回避するためにも、綿棒などで擦りすぎないようにしましょう。また、奥まで掃除しようとせず、耳の入口の辺りに溜まっている耳垢を外に出すようなイメージで気を付けて汚れを取り除きましょう。もし、奥にたまってしまい取れない時は、無理をせずに、一度耳鼻咽喉科にご相談ください。

花粉症(アレルギー)の症状が出にくい年と強く出る年があるのには、様々な要因があります。
まずは、質問の方もご存知の花粉の量です。花粉は、7月の平均気温が高い年の翌年に多く飛ぶ傾向にあります。逆を言えば、冷夏の翌年は、花粉の量が少なくなる可能性が高いということです。
ただ、夏の気温がそれほど高くなく秋から冬にかけて寒い日が続いていても、花粉症シーズン中に急に暖かくなると花粉が飛び始め、飛散量に関係なくアレルギー反応が出やすくなります。
また、花粉が少ないという予報が出た年でも、風の強い日が続くと花粉が飛びやすいので注意が必要です。

鼻の洗浄は、アレルギー性鼻炎をある程度和らげるのに有効です。
アレルギー性鼻炎の原因となるアレルゲン(抗原)は、鼻粘膜に付着したのちマスト細胞の抗体とくっつきます。そして再度アレルゲンが鼻から侵入すると、ヒスタミンなどのアレルギー誘発物質を放出し鼻の中を刺激するため、くしゃみや鼻づまりの症状が発症するのです。この鼻粘膜に付着したアレルゲンを洗い流すことで、症状が緩和されます。
鼻うがい(鼻洗い)は自作の食塩水を使用することもできますが、塩分濃度や容器の衛生面に気を付けなければなりませんので、初めての方は、まず市販の洗浄液を試してみると良いでしょう。ただし、風邪を引いているときの鼻うがいは、中耳炎を起こす可能性があるのでお勧めしません。アレルギー症状がある時は、風邪をひいていても気が付かない場合があります。そのため、受診をしてアレルギー症状による鼻づまりであることを確認してから始めた方がよいでしょう。

急に静かになった時や音のない部屋に入った時に感じる音であれば、すべての人が経験するものであり異常ではありません。
しかし、片方もしくは両方の耳から特定の音がうるさく鳴り、一時的、もしくは継続している場合は耳鳴症が考えられます。この病気の原因として考えられるのが内耳やストレスなど身体の何らかの病気です。
ただ、実際の原因をつきとめるのには難渋する場合が多々あります。なぜなら、現在の医学では根本的な耳鳴りの原因の体系について完全には確立されていないためです。逆に言えば、原因をある程度特定することができれば、それに応じた治療を行うことが可能という事でもあります。
ただし、耳なりに効く特効薬は今の所ありませんし、原因によっては治るものと治らないものがあります。治療の方法も異なりますので、治療を希望される場合は、できるだけ詳しく症状をお話しいただけると助かります。

最初に、小鼻を親指と人差し指で強くつかみ圧迫します。目頭や、小鼻より上にある鼻骨(骨のある硬い部分)をつまむのは誤りです。
また、ティッシュや脱脂綿などを詰めてしまうと取り出す時にかえって粘膜が傷つくので、何も詰めずにおさえてください。
次に椅子に腰かけ、頭を軽く下げた状態で安静にします。上を向くと、のどに流れた血を飲み込んでしまい気分が悪くなって嘔吐の危険性があるためです。もしものどに血液が流れてきた場合は、静かに吐き出し、できるだけ飲み込まないようにしてください。
そして、そのままの姿勢で5~10分程度様子を見ましょう。この正しい方法で止血を試みれば、大概の鼻血は止まります。
しかしそれでも血が止まらない場合は、できるだけ血を飲み込まないよう注意して、冷やしながら来院してください。

口内炎は、口や舌を歯で噛んだり、歯ブラシで傷つけたり、熱いものを食べてしまった時にできる傷から雑菌が入りこんで起こりますが、ビタミン不足、ストレスなども関係すると言われています。治療法としてはステロイド軟こうの患部への塗布です。
上記以外にも特殊な原因として、ヘルペス、手足口病、はしかなどのウイルスによる口内炎、カビによる口内炎、アレルギーによる口内炎等もあります。
尚、今回のご質問にあるように薬を長く飲んでいるのに治らないという場合は、初期の舌がんや口腔がんの場合も考えられます。
また、一度に何箇所もできる、何度もできるという場合は、自己免疫病なども考えられるため、早めに耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。

お子さんの耳鳴りについてですが、耳鳴りの症状に加えて以前よりも聞こえづらそうだと感じた場合や、実際に本人が聞こえづらいと訴えている場合は早めに受診することをお勧めします。
それらの症状からまず考えられるのが、突発性難聴やメニエル病などです。両方とも原因が完全には解明されていない病気ですが、内耳や聞こえの神経のウイルス感染や、血流障害が有力視されています。
突発性難聴である場合は、症状が出てから少なくとも1週間以内に治療開始することが大事です。開始が遅れると治療効果がかなりさがってしまうためです。適切に治療をすれば、患者さんの3分の2は完治又は症状が軽くなります。
一方でメニエル病は、突発性難聴と似ている病気ですが、こちらの方が比較的治りが良いと言われています。
また、その他に、聴神経腫瘍の可能性も考えられます。この場合は、手術、放射線治療が必要になる事もあります。

まず副鼻腔炎の可能性が考えられます。鼻のあな(鼻腔)と副鼻腔のつながっている場所の粘膜が炎症で腫れるなどして塞がると、副鼻腔が換気不全を起こします。換気が妨げられると副鼻腔内で細菌が増殖し、粘膜の炎症がますます強くなります。炎症が強くなると粘膜のせん毛の動きが阻害されて分泌物が固有鼻腔に排泄されなくなるため、ずっと詰まっているような感覚があるのかもしれません。
また、上咽頭炎の可能性も考えられます。上咽頭はのどの一番上、のどちんこの裏にある部分です。鼻腔を通る空気はすべて上咽頭を通ることになり、免疫の要としての役割がある一方、空気中のゴミや異物により絶えず危険にさらされてもいるのです。そのため細菌やウイルスの感染が起こりやすく、喉だけではなく鼻に違和感が出る方もいます。
ただ最悪の場合、鼻のがんや上咽頭がんといった可能性もあるので、一度、耳鼻咽喉科での受診をお勧めします。

鼻水、継続するくしゃみという症状から考えて、何らかのアレルギー反応と考えます。
秋になると(実際は8月から)、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラ・ススキなどの花粉が飛散します。また、スギ花粉も秋に間違って飛散することがあります。花粉以外では、通年性のアレルギーとしてダニ、ペット類、ハウスダストなどがアレルゲンとしてあげられます。特に、ダニアレルギーがある場合、秋に症状がひどくなる方が多いです。ダニが増える時期は、皆さんがイメージされる通りに梅雨頃から夏にかけてなのですが、そのダニの死がいが最も多くなるのが9~11月ごろとなります。そして、秋の乾燥した空気によって空気中に舞った死骸を吸い込んでしまうためアレルギー反応が出てしまうのです。
スギ花粉の季節以外に鼻水が出たり、のどがイガイガしたりすると、風邪の症状と間違われる方が多くいらっしゃいます。しかし、そういった症状が長引く場合は、一度耳鼻咽喉科を受診し、アレルギーについて調べることをお勧めします。

耳だれの症状があると、外耳道炎の可能性があります。
外耳道炎は耳の入口から鼓膜までの部分に炎症が起こる病気で、耳掃除のしすぎが原因の一つと考えられます。耳掃除などによってできた傷を不衛生な手でさわってしまい、その手についたばい菌の感染で発症することがほとんどです。
この病気である場合は、まずどの様なばい菌に感染しているのか検査をします。それから耳だれをとり、消毒薬や抗菌剤を患部に塗ります。ご自宅では、ばい菌の感染を抑える抗生剤の点耳薬などをしていただきます。治りかけの時に耳掃除をしたり、不衛生な指で患部を触ったりしてしまうと再発する可能性がありますので、ご注意ください。
確かに耳掃除は気持ちの良いものですからついやりすぎてしまいますが、本来は頻繁にしなくても問題はありません。目安としては2~3週に1度程度でよいと思います。特に肌が弱い方は、耳掃除によって耳に傷がつきやすいので注意が必要です。

咳は、外から入ってきた異物(ほこり、煙、ウイルス、アレルゲンなど)を気道から取り除こうとする防御反応です。また、咳には気道にたまった痰を外に排出する役割もあります。
咳が出る病気としてまず考えられるのは、副鼻腔炎による後鼻漏や咽頭喉頭炎などです。これらの病気は、ウイルスや細菌が鼻や口から感染することによっておこります。喉の粘膜を保護している粘液が、それら異物の侵入を防ぐため、からめとって痰となります。そしてその痰が喉を刺激し体外へ排出させようとして咳が出るのです。それらの病気以外にも、喘息、アレルギー性鼻炎、逆流性食道炎などの原因も考えられます。
数年前に扁桃腺膿腫の治療をしたということですが、咳との関係性は低いと考えます。
咳が出る原因はここに挙げた様にいろいろと考えられますので、咳が継続している場合は早めに耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。

鼻水は健康な人でも1日に2~6リットルが体内で作られ、その約3割は鼻の後方から喉に流れ落ち、本人が無意識に飲み込んでいると言われています。これが後鼻漏です。
後鼻漏があること自体は病気ではなく、健康な方でも生じている生理的なものです。
ただし、喉の奥に溜まって気持ち悪いという症状があることから、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎等が原因の後鼻漏の可能性があります。
それらの病気がある場合、鼻水の量が健康時よりも増え、喉に流れ落ちる後鼻漏の量も多くなります。また、喉に溜まった後鼻漏は、粘り気を増してくるため不快感も強くなります。
まずは、その不快感の原因は何なのかを見極めるため受診することをお勧めします。そしてご自身にあった治療を受けることにより、不快感の軽減が期待されます。

耳鼻咽喉科の領域である首のリンパの腫れであれば、もちろん診察することが可能です。
体にはリンパ節といって、体をばい菌から守り、免疫に関する成分を作る組織が点在しています。ただし、免疫がおちた時に起こりがちですが、リンパ節内で感染が起こると大きく腫れ上がります。
耳や鼻、のどで感染を起こすと、その部位での炎症は首にあるリンパ節がよく関与するため、首のリンパ節は腫れやすくなるのです。
リンパの腫れによる病気には、頸部リンパ節炎、悪性リンパ腫などがあります。首にしこりができて痛みが続く場合は、癌のリンパ節転移も疑われます。ただ、リンパが腫れているように思われても、実際は、原因が耳下腺の腫れであったり甲状腺の腫れであったりと様々です。もし現在、首の辺りが腫れているのが明らかであれば、早めの受診をお願いします。

アレルギー反応が起こる物質(アレルゲン)として皆さんに最も知られているのがスギ花粉です。しかし、アレルゲンは他にもたくさんあり、それは季節ごとに変わってきます。
夏のアレルゲンとして代表的なものはイネ科植物(ハルガヤ、カモガヤ等)です。関東地方では、5月から多くのイネ科植物の花粉
が飛沫し、それは秋が終わるまで続きます。また、8月の中旬ぐらいから始まるブタクサの花粉は夏から秋にかけてのアレルゲンです。
それら以外に、夏場はダニやカビに対するアレルギー反応も多く出る時期でもあります。ただ、実際それらにアレルギー反応があるかないかは血液検査をしてきちんと調べてみないとはっきりしませんので、一度検査を受けてみることをお勧めします。
アレルゲンがはっきりすることで、反応が出る前に早めの対応が可能となるため症状緩和につながるでしょう。

耳鳴りとは、実際には外では音がしていないのにもかかわらず、患者さん本人には何か音が聞こえる状態のことを言います。本人にしか聞こえない自覚的耳鳴と、ご本人の耳周辺から何らかの音がしていて、外部からも聴くことが可能な他覚的耳鳴に分けることができます。自覚的耳鳴は内耳やストレスなど、何らかの病気が原因となって、片方もしくは両方の耳から特定の音がうるさく鳴り、一時的、又は継続して聞こえる状態です。一方、他覚的耳鳴は、私たちの身体が発する音で、例えば、耳の周辺の血管の音、顎の関節障害による音などが聞こえ、気になっている状態です。耳鳴りは、その原因をつきとめるのに難渋する場合が多々あります。なぜなら現在の医学では根本的な耳鳴りの原因の体系について完全に確立されていない為です。ただし、原因をある程度特定することが出来れば、それに応じた治療を行なっていくことが可能です。様々な病気が組み合わさっている場合もありますし、精神的ストレスによる場合、耳以外の体のどこかに異常がある場合もあるため、治療法も患者さんによって千差万別です。原因に応じて対処法は様々です。気になる場合は早めに受診し、症状をできるだけ詳しくお聞かせください。

補聴器は、装用前に一人一人に合わせて調整します。聴力検査の結果や年齢、ライフスタイル等の重要な情報を考慮して一つの設定が提案され装用にいたります。
しかし、時が経つにつれ、個人差はありますが、設定した当初の情報が変わることにより聞こえの状況が変わってくるのです。そのため、今までより聞こえが悪くなったとか違和感があるなと感じた時は、補聴器の再調整が必要になります。
調整は、補聴器を購入したお店でできるのですが、時として、耳垢が原因であったり、中耳炎などの病気が原因であったりする場合もあります。そのため、調整の前に耳鼻咽喉科を受診し、耳の中に問題がないかどうかを調べることをお勧めします。
また、補聴器の耐久年数は、だいたい4年から5年となっています。使用年数がそれよりも長くて聞こえが悪いという場合は、補聴器そのものに問題が出てきた可能性も考えられます。

中耳炎は子供の病気と思われがちですが、大人でも発症することがあります。子どもに中耳炎が多いのは耳管が未熟で、大人よりも短く、太く、まっすぐなために鼻や喉の影響を受けやすいからです。
一方、大人でも、細菌やウイルスなどによる鼻・のどの風邪をひいたときにかかる場合があります。鼻水などで出口がふさがれ、細菌やウイルスが本来の方向とは逆の耳管へと向かってしまうからです。
また、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎による耳管の粘膜の腫れ、アデノイドなどによる耳管の圧迫で耳管の働きが悪くなっている場合も注意が必要です。
中耳炎を防ぐために気を付けることは、きちんと鼻をかんで、細菌やウイルスが耳管に届かないようにすることです。それから、耳の奥が痛いと思っても、実際は手前のところが炎症を起こしていて外耳炎という場合もあります。そのため、一度耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。

耳垢は内側から外側へと自然に出てくるものです。そのため、耳掃除は2週に1回程度で良いでしょう。
ご自宅で耳掃除をする時は、耳の中が見えない状態、または、見えづらい状態で行うことが多いですよね。そのような状況下で耳掃除をすると、耳垢をとるどころか奥に押しやってしまいそれが蓄積して塊となることがあります。それを回避するためにも、綿棒などで擦りすぎないように、また奥まで掃除しようとせず、耳の入口の辺りに溜まっている耳垢を外に出すようなイメージで気を付けて汚れを取り除きましょう。
お子さんが暴れて怖いということですが、そういう状況で無理に耳掃除をしてしまうと、返って耳を傷つけてしまう可能性があります。どうしても難しい場合や、お子さんの耳奥に塊があるように思われる場合は、無理に掃除をしようとせず、耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。

疲れているときに風邪気味であると、免疫力が普段よりも落ちているため風邪(ウイルスの感染)をこじらせて、細菌の感染も起こしやすくなります。そして、細菌の感染がウイルス感染に加わると、のどの痛みが治まらないケースがあります。一般的に、風邪を引いたときは、自宅で安静にしていると自分の体からウイルスを撃退する抗体ができるため治っていくのですが、仕事や学校、育児でなかなか休めない方が両方の感染を起こし、のどの痛みを訴える場合が多くあります。
また、秋から冬にかけては空気が乾燥するため、そのことが原因でも喉が痛くなりやすいので注意が必要です。普段からマスクをして湿度を保つようにすると良いでしょう。のどや鼻への湿度を保つことはウイルスや細菌感染の予防ともなりますのでお勧めです。
数日様子を見てものどの痛みが軽減せず悪化するときは、我慢をせず早めに受診してください。

急に鼻血が出たら、まずは正しい方法で止血を試みましょう。
最初に、小鼻を親指と人差し指で強くつかみ圧迫します。目頭や、小鼻より上にある鼻骨(骨のある硬い部分)をつまむのは誤りです。また、ティッシュや脱脂綿などを詰めてしまうと取り出す時にかえって粘膜が傷つくので、何も詰めずにおさえてください。
次に椅子に腰かけ、頭を軽く下げた状態で安静にします。上を向くと、のどに流れた血を飲み込んでしまい気分が悪くなって嘔吐の危険性があるためです。もしものどに血液が流れてきた場合は、静かに吐き出し、できるだけ飲み込まないようにしてください。そして、そのままの姿勢で5~10分程度様子を見ましょう。
それでも血が止まらない場合は、できるだけ血を飲み込まないよう注意して、冷やしながら来院してください。

いびきというのは、横になった時に気道が狭くなり、その狭い気道を伝って体が一生懸命に呼吸をしようとした結果起こります。大人の方の場合、体重の増加、お酒、寝ている時の姿勢などが原因と考えられます。ただし、医学的にはもっと心配すべき要素があり、それが「睡眠時の無呼吸」です。
気道が狭くなりすぎると十分に呼吸することができず、睡眠時に息が止まってしまいます。これを睡眠時無呼吸症候群と呼びます。診断基準ですが、おおまかに説明すると、睡眠中1時間あたり10秒以上呼吸が停止し、かつこの状態を5回以上繰り返すとこの病気の可能性を疑います。熟睡ができないので日中眠くなってしまい、集中力が無くなったりいらいらしたりして、日常生活や仕事に影響が出る方もいらっしゃいます。また、心臓や肺に負担がかかるため、そのままにしていると、高血圧、糖尿病、心臓病などの原因にもなります。
いびきが大きいだけでは睡眠時無呼吸症と判断はできませんが、気になる場合には一度耳鼻咽喉科での受診をお勧めします。

扁桃腺が大きいだけであれば病気ではありませんので、手術ということにはなりません。ただ、扁桃腺が大きいのに加えて鼻の奥の扁桃腺(アデノイド)も大きいと、寝ている時に呼吸がしにくくなり、ひどい場合は睡眠時無呼吸症を発症する可能性があります。そのような症状がある方へは、手術をお勧めする場合があります。
また、年に4~5回以上繰り返して感染による扁桃炎を起こし、高熱のため幼稚園・保育園を毎回数日間休まざるを得ないお子さんへも、一つの選択肢として手術を提案することがあります。ただ大きいだけの場合は様子見でよいのですが、寝ている時に呼吸が苦しそうだったり扁桃炎を繰り返したりする場合は、一度耳鼻咽喉科にご相談ください。

風邪の症状がなく鼻声である場合、アレルギー性鼻炎、もしくは副鼻腔炎の可能性が考えられます。
アレルギー性鼻炎は、原因となるアレルギー物質に反応して鼻の中に炎症が起こる病気です。もしアレルギー性鼻炎である場合、春はスギやヒノキ、夏はカモガヤ、ハルガヤ(イネ科の花粉)、秋はブタクサやヨモギ、通年ですとほこり、ダニ等が原因と考えられます。
一方、副鼻腔炎は風邪をひいた後に起きるケースが多い病気で、細菌が鼻の粘膜や副鼻腔に感染することによって発症します。上顎歯に齲歯があると、そこから副鼻腔に細菌感染が広がり発症するケースもあります。軽い症状の場合は鼻詰まりや黄色、緑の鼻汁の症状が主ですが、重症化すると頬の奥、目の奥、眉毛のあたりの痛み、目の周りや頬の腫れ、頭痛などの症状が出てきます。最近、アレルギーが原因となって副鼻腔炎を発症するという事例もありますので、ご自分で判断するのではなく、ひどい症状になる前に一度耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。

恐らく副鼻腔炎を発症していると思われます。副鼻腔炎は、細菌感染により鼻の中に炎症を起こす病気です。風邪を引いた後に発症するケースが多いため、風邪が長引いているだけだと勘違いしてしまう方もいらっしゃいます。
特に質問をいただいた3月から4月頃は寒暖の差が激しく体調を崩しやすい時期ですので、風邪の症状なのか副鼻腔炎の症状なのかをご自身で判断するのは難しいでしょう。そのまま喉の奥に鼻水がたまっている様な状態にしていると、頬の奥や目の周りの痛み、頭痛などの症状が表れたり慢性化してしまったりするので、早めに耳鼻咽喉科に受診することをお勧めします。
通常1~2週間程度で治りますが、慢性化すると完治まで2~3か月程度の期間を要します。重症化すると鼻にポリープができてしまい手術が必要なケースもありますので、その時は近隣の病院をご紹介します。

鼻うがいをすると鼻の中に侵入したアレルギー物質を流し出してくれますので、ある程度の効果が期待できます。
ご自分で食塩水を作って鼻うがいをすることも可能ですが、塩分濃度や容器の衛生面に気を付けなければなりませんので、初めての方は、まず市販の洗浄液を試してみると良いでしょう。
ただし、風邪を引いているときの鼻うがいには注意が必要です。鼻の中についた細菌が鼻うがいにより耳管を通って中耳に達し、中耳炎を起こす可能性があるからです。そのため、鼻うがいをする時は風邪をひいていない時に行うことをおすすめします。
アレルギー症状がある時は、風邪をひいていても気が付かない場合があります。そのため、受診をしてアレルギー症状による鼻づまりであることを確認してから始めた方がよいでしょう。

風邪は主にウイルス感染から起こり、治療を始めてから数日で症状が軽減されます。しかし、1か月も鼻水が続くのであれば、ウイルスだけでは無く細菌の感染も考えられます。
風邪を引いているときの鼻水はさらさらですが、細菌感染が加わると粘り気のあるものに変わっていきます。粘度のある鼻水は、特にお子さんの場合、鼻をかんでもなかなか上手く外へ出すことができません。すると、出口をブロックされた細菌がそのまま鼻と鼻の奥(副鼻腔)に居座るため、頬・目の奥・眉間の痛み、頭痛、目の周りや頬の腫れといった症状が出てくる場合もあります。また、その細菌が、耳と鼻をつなぐトンネル(耳管)を通って中耳方向へ向かうと中耳炎を発症しますので、注意が必要です。そのため、鼻水が長引くようであればお子さんを早めに耳鼻咽喉科へ受診させ、中耳炎の発症を未然に防ぐようにしましょう。

耳管開放症を発症した可能性が考えられます。
耳管解放症とは、通常閉じている耳管が何らかの影響で開いたままの状態になる病気です。発症誘因はいくつかありますが、その中の一つが激しい運動をした時です。激しい運動をすると体が脱水状態になり、耳管にある細胞の水分も抜けて縮まってしまうため、耳管が広がってしまうのです。耳が詰まった感じ(耳閉感)はこの病気に顕著な症状で、他に耳鳴り、自分の声が響く、自分の呼吸音が耳に響くといった症状が出る方もいらっしゃいます。
そのため、運動をする時はこまめに水分補給をして脱水状態にならないようにしましょう。もし耳が詰まる感じがしたら、前屈をすると改善する場合がありますので試してみてください。
もしも状況が改善されなかったり、耳の詰まった感じが繰り返し起ったりする場合は、耳鼻科への受診をお勧めします。

風邪をひいたことがきっかけで副鼻腔炎をおこしている可能性があります。副鼻腔炎とは風邪をひいた後に起こるケースが多い病気です。
風邪は当初ウイルス感染が主ですが、その後、細菌の感染が鼻の粘膜や副鼻腔に加わると発症します。そして、質問された方の症状と同じで黄色や緑色の鼻汁が出たり、鼻づまりがおきたり、鼻水が喉に落ちて痰となりからんだりするのです。さらに、頬の奥が痛くなったり、目の奥や眉毛のあたりが痛くなったり、頭痛がおきたりもします。
また、以前同じ様な症状が起きて治ったと思っても、そこに新たな細菌の感染が加わり副鼻腔炎を再度おこすケースがありますし、放っておくと慢性化する可能性もあります。そのため黄色や緑色の鼻汁が出て痰がからむ場合は、速やかに受診をお勧めします。

冬が近づくにつれ空気が乾燥するため、鼻の入口から入ったところが乾燥して炎症を起こすことがあります。そして、鼻をかむ時には鼻の中にかなりの圧がかかり、炎症を起こしている箇所は粘膜が腫れて弱くなっているため、鼻出血が起こることがあります。
空気の乾燥が主な原因ですので、暖房を使う時は必ず加湿器も一緒に使い部屋の湿度を保ちましょう。外出する時は、マスクをすることをお勧めします。マスクをすることによって吐いた空気が湿気に変わり、鼻に適度な湿度をもたらします。
また、この季節は血圧が高くなりやすいので、ひとたび出血をおこすと大量に長時間出血するケースもあり注意を要する季節でもあります。さらに、血をサラサラにする薬を飲んでいる方は血が止まりづらい傾向にあります。鼻血が止まらない場合は、無理にご自分で止めようとせず、耳鼻咽喉科に受診することをお勧めします。
鼻出血を繰り返す場合は他の病気の可能性もありますので、そういった場合も早めの受診をお勧めします。

蓄膿症(=副鼻腔炎)は、風邪を引いた後に起きることが多い病気です。風邪はウイルス感染が主ですが、その後、鼻の粘膜や副鼻腔が細菌に感染すると副鼻腔炎を発症します。また、炎症が完全におさまったとしても、新たな細菌の感染が加わると再び副鼻腔炎が起こるケースがあります。その他、上顎歯に齲歯(うし)がある場合、そこから副鼻腔に感染が広がって起こるケースもあります。
発症すると、黄色や緑の鼻汁、鼻づまり、頬の奥の痛み、目の奥や内側の痛み、眉毛の辺りの痛み、頭痛、目の周りや頬の腫れ、発熱、匂いがわからない等の症状が表れます。
風邪をこじらせて膿のような鼻汁がでたり、頭痛や発熱がおきたりした時は、速やかに受診することをお勧めします。また、痛みと発熱のような急性の症状が無くても、膿のような鼻汁、鼻づまりが長く続く時は副鼻腔炎が慢性化している可能性があります。こういった症状がある場合も、受診をお勧めします。

扁桃炎を起こすと、会社や学校を休んだり、人によってはその期間入院したりしなければならなくなります。それが1年に4~5回もしくはそれ以上繰り返す場合は手術を一考したほうが良いかもしれません。
手術して取った場合のデメリットですが、①術後の痛みが強い、②入院が必要、③術後出血した場合は再手術が必要等です。痛みは個人差が大きく、長い場合は1週間以上にわたって現れます。入院は10日間程度必要ですが、一回扁桃腺をとってしまえば、扁桃炎によって起こる発熱やのどの激しい痛みはなくなります。ただし、のどの粘膜が腫れて熱が出たりのどが痛くなったりすることは起こります。また、扁桃腺は気道にありむき出しの状態のため、何かの衝撃(例えば咳等)で、手術後、除去箇所から大量に出血する場合があります。少しであればそのまま様子を見るのですが、大量の術後出血が起こった場合は再手術が必要となります。
これら以外のデメリットとしては、舌を押し付けて手術を行うため味覚障害や舌麻痺が一定期間おこる場合が稀にあり得ることです。扁桃腺除去手術を希望される場合は、一度ご相談ください。

スギ花粉舌下免疫療法は、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげる治療法です。そのため、患者さんによってはスギ花粉のアレルギー反応がおこる可能性があり、まれに重篤な症状が発現する可能性があります。
報告はほとんどありませんが、重大な副作用としてあげられるのがアナフィラキシーショックで、蕁麻疹などの皮膚症状や腹痛や嘔吐などの消化器症状、息苦しさなどの呼吸器症状、突然のショック症状(蒼白、意識の混濁など)がみられるものです。
そのほか可能性のある副作用としては、口内炎、舌下や口中の腫れ、喉のかゆみ、耳のかゆみ、頭痛などがあげられます。
これらの症状の発現に特に注意していただきたいのが、①服用後少なくとも30分間、②服用開始初期(およそ1カ月)、③スギ花粉が飛散している時期です。症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診してください。

内耳ではリンパ液が産生・吸収されてその流れが一定に保たれていますが、その流れが滞り、内耳がリンパ液でむくんでしまい、めまいや耳鳴り難聴などを繰り返す病気です。ぐるぐる回るめまいが数時間、長い方で1日ぐらい続きます。その症状に伴い吐き気、耳鳴り、難聴がでる方もいます。
なぜ内リンパ水腫になるのか原因は判明していませんが、疲れやストレス、なかには気圧の変化(雨が降る時や台風が近づいてくるとき)などで発症する方が多い印象です。
めまい、耳鳴り、難聴の症状がひどいときは、めまいを抑える薬、吐き気に対しては吐き気止め、耳鳴りと難聴に対してはステロイドを内服もしくは点滴で行います。症状が落ち着いてきたら、内リンパ水腫を改善させる浸透圧利尿剤を内服し経過を見ます。しばらくすると症状がなくなり内服をやめることができる方も多いですが、症状が続く方は内服を継続してもらいます。症状が落ち着いた後も、できるだけ疲れやストレスをコントロールすることが大切です。

恐らくスギ花粉などのアレルギーによって咳喘息を発症しているのではと考えます。
咳喘息は、慢性的に咳が続く気管支の病気です。一般的な喘息と同様、気道(呼吸をするときに空気の通る道)が狭くなり、いろいろな刺激に対して過敏になって、炎症や咳の発作が起こります。この病気は、特にアレルギーのある人に多いとされています。アレルギー反応によって、気道が炎症を起こしてしまうためです。
また、咳喘息はかぜに併発して起こることも多く、かぜをひいたあとに2~3週間以上、咳が続くことがあれば、この病気の可能性があります。女性に多い傾向があり、しばしば再発を繰り返します。
咳喘息は、喘息の前段階ともいわれており、放置すると本格的な喘息に移行してしまうことがあるので、そうなる前に正しい治療をすることが大切です。
気になる症状があれば耳鼻咽喉科・アレルギー科で詳しく診てもらうことをおすすめします。ただし、喘息に見られるゼイゼイ、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難の場合は、呼吸器科を受診した方がよいでしょう。

耳鼻咽喉科と内科の大きな違いですが、耳鼻科では鼻の奥(および鼻水)・のどの奥が実際どのような状態なのか、専門家として正確に見極め、単に投薬するのではなく、お一人おひとりの患部を直接見て治療する点です。そのため、お薬も患部に合ったものを処方することが可能です。
かぜに似た、あるいはかぜをきっかけに発病した、別の耳鼻咽喉科領域の病気、例えば副鼻腔炎喉頭蓋炎などの発見も容易となります。特に急性中耳炎は、“かぜ”によって、のどや鼻に残った細菌・ウイルスが、耳に入り込むケースが大部分です。「かぜは治りかけだが、耳が痛くなってきた」といったよくある例も、耳鼻咽喉科専門医であれば、みみ・はな・のどをトータルに捉えた素早く正確な対応が可能です。逆に消化器症状(腹痛・下痢など)が主症状の場合や、呼吸をするときに胸のあたりが苦しい場合、なにも症状がないのに微熱が続くなどは内科の方が優れていると思います。
かぜを長引かせないようにするため、ご自分の症状にあった科を受診することをお勧めします。

鼻づまりは、鼻腔を通る空気の流れが悪くなることによって起こる感覚です。主な原因は、「鼻粘膜の腫れ」とそれ以外に分けられます。
「鼻粘膜の腫れ」は、ウイルス・細菌・アレルギー等が原因です。これらの原因と戦うために粘膜が炎症を起こすため、鼻の通りが悪くなってしまいます。ウイルスやアレルギーが原因の場合は鼻水が水っぽいので、鼻水が鼻づまりの原因となることはほとんどありません。細菌感染の場合は、炎症に加えて鼻水が緑や黄色の粘った状態になり、それも鼻づまりの原因となります。細菌の感染は、かぜのウイルスに感染し抵抗力が落ちた鼻の粘膜におこりやすいので、かぜをこじらせないように気をつけましょう。
それ以外に、鼻の構造等によって起こる鼻づまりがあります。鼻中隔弯曲症、ポリープ、アデノイドの腫れなどです。
このように鼻づまりの原因は色々ありますので、鼻づまりがなかなか治まらない場合は耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。

赤ちゃんの耳掃除も大人と一緒で、毎日する必要はありません。耳垢は内側から外側へと自然に出てくるものですので、耳掃除は週1回程度で良いでしょう。
ガーゼなどの柔らかいもので、耳のまわりを優しく拭いてあげる程度で大丈夫です。無理に掃除をしてしまうと、逆に耳垢を奥に押しやってしまい、さらには耳を傷つけてしまう場合もあります。耳のくぼみなどは大人の指が入らないので、赤ちゃん用の細い綿棒を使い、擦りすぎないように気を付けて汚れを取り除きましょう。
赤ちゃんの耳の穴は小さいので掃除が難しいと思われる方はたくさんいらっしゃいます。耳鼻咽喉科では、専用の器具を使って耳垢を取る事が可能です。難しいと思われる方は無理に掃除をしようとせずに、耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。

一般的に風邪は、のどにウイルスが感染しておこる病気で、多くの人は自宅で安静にしていると自分の体からウイルスをやっつける抗体ができ治っていきます。しかし、そこに細菌の感染が加わるとなかなか風邪が治らず、発熱が続き、のどの痛みが治まらないケースがあります。その状態が咽頭炎で、風邪をひいても仕事や学校、育児で忙しく、なかなか安静にしていられない方が感染する場合が多いです。
ウイルスや細菌は、手を媒介して口へ、また口呼吸をすることによって口の中へ入ってきます。そのため、うがい・手洗いをしてまず風邪にかからないように気を付けることが大切です。もし風邪をひいてしまったら、早めに通院し適切な処置を受けましょう。そして、咽頭炎が併発しないように、その間もうがいと手洗いを徹底しましょう。

一般的に言われる蓄のう症とは慢性副鼻腔炎のことで、鼻腔周囲にある大小の空洞(副鼻腔)が細菌感染したことにより炎症がおこり、膿がたまった状態が慢性化する病気です。
残念ながら、蓄のう症(慢性副鼻腔炎)が自然に完治することはありません。副鼻腔炎には急性と慢性があり、急性副鼻腔炎の早い段階で治療を始めれば1~2週間で治すことが可能です。急性副鼻腔炎は風邪を引いた後に発症することが多いため、風邪の症状の一つと考えてしまいがちです。膿のような鼻汁や頭痛、発熱などの症状がある時は、早めに耳鼻咽喉科に受診することをおすすめします。また、その炎症が取り切れず残存すると、いつまでも膿のような鼻汁や鼻づまりが治らず慢性的になります。この段階を慢性副鼻腔炎と呼び、完治までに数か月を要します。
治療として、抗生剤の内服とあわせてネブライザーを行います。痛みがひどい場合は、痛み止めの内服で症状を抑えます。多くはその治療で改善しますが、重症化すると鼻にポリープができてしまい、鼻づまりや膿のような鼻汁が続いたりする方もいます。そういった場合は、手術が必要なケースもあります。

耳かき中に急に痛がった場合、原因として考えられるのは2つあります。鼓膜損傷と外耳道の損傷です。
ご質問のようなケースでは、外耳道損傷が原因の場合が多く見られます。治療には、傷から菌が侵入するのを防ぐため、抗菌の点耳薬を投与します。だいたい1~2週間程度で治癒する傾向にあります。
鼓膜だけが破れた場合、多くは自然に塞がって治りますので経過観察をします。その一方で、傷からの感染を予防するため点耳薬を投与します。まれに鼓膜の内側の骨である耳小骨(じしょうこつ)に損傷を受けたり、中耳の奥にある内耳にまで損傷が及んでいることがあります。そういった場合、難聴などの後遺症を残すこともありますので、痛みの他に症状がないか詳しく問診をし、当院の場合はファイバースコープ(内視鏡)で耳の状態の写真をとり、場合によっては聴力検査をして診断します。
もしご質問のようなケースが起こった場合は、すぐ耳鼻咽喉科に受診することをお勧めします。

ほぼ1年を通して何らかの植物の花粉が飛散しています。スギ花粉以外では、1月頃から3月頃まではハンノキ、4月頃からはヒノキなどの花粉が飛散します。これらの花粉に対して、鼻炎のほか目・のど・皮膚の症状が出る患者さんもいます。
初夏あたりからは、イネ科の植物の花粉(カモガヤ、ハルガヤ、オオアワガエリ)、8月頃から秋にかけては、ブタクサ・ヨモギ・カナムグラなどの花粉が飛散します。症状は前出の花粉症状とほぼ同じですが、ブタクサについては喘息の原因になることもあるので注意が必要です。花粉以外では、通年性のアレルギーとしてダニ、ペット類、ハウスダストなどがあげられます。症状は他のアレルギーと同じです。
スギ花粉の季節以外に鼻水が出たり、のどがイガイガしたりすると、風邪の症状と間違われる方が多くいらっしゃいます。しかし、そういった症状が長引く場合は、一度耳鼻咽喉科を受診し、アレルギーについて調べることをお勧めします。

もともと扁桃は、皆ある時期に大きくなって、また小さくなっていきます。例えば、ご質問の扁桃腺(口蓋扁桃)は、小学校高学年頃に大きく成長し、その後、縮小する傾向にあります。
お子さんのいびきですが、その原因として考えられるのが、①アデノイド肥大、②扁桃(口蓋扁桃)肥大、③アレルギー性鼻炎による鼻づまりなどです。
アデノイドとは、上咽頭にある扁桃のことです。両方の鼻から吸い込んだ空気は奥で合流しますが、その合流したところにもともと存在するものです。合流地点ど真ん中にあるため、肥大すると鼻が詰まり、いびきをかきやすくなります。ただ、アデノイドは6歳前後に大きく成長し、その後、縮小する傾向にあります。
また、扁桃肥大(口蓋扁桃、いわゆる扁桃腺)ですが、上記のアデノイドが大きい方は口の扁桃も大きい例が多く、その2つの扁桃肥大によって寝ているとき空気を吸い込みにくくなり、睡眠時無呼吸症候群になることがあります。治療方法ですが、投薬による保存治療と、ケースによっては手術治療が必要な場合があります。
いびきがひどくて気になる場合には、一度耳鼻咽喉科への受診をお勧めします。

耳が遠くなった気がするということですが、耳が聞こえづらくなる原因については加齢に伴う難聴(老人性難聴)以外にもいろいろあります。たとえば耳垢が原因で聞こえが悪くなっているケースです。耳掃除をするときに見えない状態で掃除をするため、耳垢を奥におしやってしまうことがあります。それが塊となって耳をふさいでしまうため聞こえづらくなってしまうのです。その他にも、滲出性(しんしゅつせい)中耳炎、真珠性中耳炎、突発性難聴、低音生涯型感音難聴、蝸牛型(かぎゅうがた)メニエル病などが原因の場合もあります。そのため、耳が遠くなったからと言って、すぐに補聴器をつけるというのはお勧めしません。耳が遠くなったと感じたら、まずは、お近くの耳鼻科を受診してください。
聞こえづらいとおっしゃる患者さんには、まず問診、耳の中のチェックと聞こえの検査を行い、何が原因で聞こえが悪くなっているか調べます。それらを確認後、加齢に伴う難聴が原因で生活に支障があるという場合は、補聴器をお勧めしています。

ご自宅で耳掃除するときは、見えづらい状態で行うことが多いですよね。そのような状況下で耳掃除をすると耳垢を奥に押しやってしまい、それが蓄積して塊となる事があります。また、耳垢がある状態で水が耳に入ると、耳垢が膨張してしまうケースや、外耳炎や慢性中耳炎となり耳だれが出続き、それが塊となるケースもあります。
治療は、除去が唯一の方法です。吸引機で吸い取ったり、耳専用のピンセットでつまみ出したりしてとります。カチカチに固まっているものに対しては、耳垢を柔らかくする点耳薬を自宅でつけてきてもらいます。柔らかくなった状態で、耳にぬるま湯をいれて塊を洗い流します。多くの場合は1回でとれますが、数回外来に通院してようやくとれるケースもあります。耳だれが固まっている場合は、塊を取り除いた後で感染を抑える治療を追加で行います。
お子さんの場合、体の成長とともに耳の穴も大きくなり、それとともに耳垢がたまりにくくなりますのでご安心ください。それまでは近くの耳鼻科で定期的にとってもらったほうがよいでしょう。耳垢によりますが、だいたい3か月から半年に1回の掃除できれいに取れます。

大人に比べて子供に多い中耳炎ですが、その原因は耳・鼻・のどにつながっている管(耳菅)にあります。子供のほうが大人に比べて耳管が短く水平に近いため、よりウイルスや細菌が耳に侵入しやすいのです。また、大人に比べてうまく鼻をかむことができないため鼻水をすすってしまい、鼻についているウイルスや細菌を、耳管を通して中耳に送り込んでしまうため中耳炎を発症します。
子供の中耳炎を予防することは大変難しいのですが、悪化することを防ぐためには、しっかり鼻をかむようにすることが重要となります。ただ、1歳と4歳のお子さんの場合、自分で鼻をかむのは難しいと思われますので、耳が痛いと言わなくても風邪などの症状で鼻水が出ている場合は、耳鼻科で鼻汁をしっかりすってもらいましょう。そして、中耳炎の悪化を防ぎましょう。

耳鼻咽喉科と内科の大きな違いですが、耳鼻科では鼻の奥(および鼻水)・のどの奥が実際どのような状態なのか、専門家として正確に見極め、単に投薬するのではなく、お一人おひとりの患部を直接見て治療する点です。
かぜに似た、あるいはかぜをきっかけに発病した、別の耳鼻咽喉科領域の病気、例えば副鼻腔炎喉頭蓋炎などの発見も容易となります。特に急性中耳炎は、“かぜ”によって、のどや鼻に残った細菌・ウイルスが、耳に入り込むケースが大部分です。「かぜは治りかけだが、耳が痛くなってきた」という、よくある例も、耳鼻咽喉科専門医であれば、みみ・はな・のどをトータルに捉えた素早く正確な対応が可能です。
逆に消化器症状(腹痛・下痢など)が主症状の場合や、呼吸をするときに胸のあたりが苦しい場合、なにも症状がないのに微熱が続くなどは内科の方が優れていると思います。
かぜを長引かせないようにするため、ご自分の症状にあった科を受診することをお勧めします。

花粉症は命にかかわる病気ではありませんが、無対策では花粉症シーズン中の生活の質(QOL:クオリティオブライブ)をかなり低減させてしまう疾患です。
スギ花粉の飛散は1月頃より徐々に始まります。本格的な飛散は、例年2月中旬以降からですが、今年は暖冬傾向にあるためその時期が早まるという予想が出ています。花粉症のシーズンが本格化する前に治療を始めることで、シーズン中の症状を和らげることが可能です。また、症状が悪化した場合でも、できるだけ早めに投薬・処置を受けることにより症状の改善が期待できます。
治療方法ですが、まず問診をしてから鼻の状態を診察します。鼻の状態と患者さんのライフスタイルを見極めた上で、アレルギー薬の内服薬・点鼻薬を処方します。また、鼻洗浄をして花粉を取る方法もあるので、興味のある患者さんにはお勧めしています。
春は色々とイベントが多い季節です。その時期を快適に過ごしていただくためにも、花粉症の症状が出始めたと感じたら早めに受診することをお勧めします。

通常、内耳ではリンパ液が産生・吸収されて流れが一定に保たれていますが、その流れが滞ることで内耳がリンパ液でむくんでしまい(内リンパ水腫)、めまいや耳鳴り難聴などを繰り返す病気です。しかし、なぜ内リンパ水腫になるのか原因は判明していません。
メニエール病の場合、突然ぐるぐる回るめまいが起こり、数時間、長い方で1日ぐらい続きます。めまいに伴い、耳鳴り、難聴、吐き気がでる方もいます。この病気の発症には疲れやストレスが関係していると考えられています。また、気圧の変化(台風接近時や雨が降っている時)によって発症する方もいる印象です。
めまい、耳鳴り、難聴の症状がひどいときは、めまいを抑える薬、吐き気に対しては吐き気止め、耳鳴りと難聴に対してはステロイドを内服もしくは点滴で行います。
症状が落ち着いてきたら、内リンパ水腫を改善させる浸透圧利尿剤を内服し経過を見ます。
ぐるぐる回るめまい・耳鳴り・難聴が繰り返す場合は、メニエール病の可能性がありますので耳鼻咽喉科の受診をお勧めします。

外耳道(耳の入口から鼓膜まで)の皮膚は、奥から外へと毎日少しずつ動いています。奥へ耳垢が貯まらないようにできていて、食事をしたり、おしゃべりをしたりして顎を動かすことで自然に外へ出てしまいます。そのため、耳掃除の必要はほとんどありません。むやみに耳掃除を行うことで、外耳道に傷をつけたり、かえって耳垢を奥に押し込んでしまうことになったりする事にもなり得ます。
お子さんの耳掃除をする場合は、綿棒でやさしく外へ取り出すようにしてください。よく見える場所だけ掃除をし、耳の奥は触れないようにしましょう。回数は、2週間に1回程度で十分です。ある程度耳垢が溜まってしまっている場合には、かえって耳垢を奥に押し込めてしまうことがあるので注意が必要です。
耳の穴には、快感を得られる迷走神経が走っているので、耳掃除は心地よく感じますが、やりすぎると外耳道に傷をつけ、外耳炎を発症してしまうことがあります。外耳炎の多くは過剰な耳掃除と言われているのです。
耳垢が奥に詰まって取れない場合は、ご家庭で無理をせずに耳鼻咽喉科にご相談ください。

舌下免疫療法は、スギ花粉を含むエキスを少量から舌の下に投与することで、体をアレルギーの原因物質に慣れさせ、花粉症の諸症状を和らげる治療法です。治療期間は約3年から5年です。日本では、2010年から臨床試験が行われ、約70%の方に有効性が認められました。そのため、2014年10月から保険診療の対象となっています。
治療は、花粉が飛びはじめる3ヶ月以上前から始めることが必要なため、少なくとも12月以前に開始することが望ましいです。
この治療は、12歳未満の小児、重度の気管支喘息の方、悪性腫瘍や免疫系の病気がある方は受けることができません。また、現時点での報告は大変少ないのですが、副作用が出現する可能性のある治療法であることも認識していただく必要があるため、詳細な問診・検査・診察・説明を行い、治療を受けることが可能かどうか総合的に判断します。この治療をご希望の方は、専門の医師にご相談ください。

鼓膜は膜とはいっても皮膚と同じような性質を持っているため再生力は旺盛です。皮膚に注射するのと同じで1週間前後で穴は閉じます。しかし、湿疹で弱った皮膚の傷の治りが悪いように、極めてまれに中耳炎でウミがたまり続けたり自然に裂けた場合は鼓膜が弱くなったりするため、再生力が落ちて穴が残ることもあります。
ただし、ほとんどの中耳炎は、鼻かぜの細菌が耳管を通って中耳に入ることが原因で発症します。そのため、穴が残ったとしてもそれが原因で中耳炎になりやすくなるということではありません。
しかし、これまで鼓膜切開を受けなければ治らなかった方は中耳炎になりやすい体質も持った方が多いので注意が必要です。簡単なことですが、細菌の侵入を防ぐため、かぜをひいた時は鼻をよくかむようにしましょう。乳児~幼児の場合は鼻をかむことが難しいと思いますので、耳鼻科に通院し鼻水の吸引をしてもらうようおすすめします。

止まりづらい方も稀にいらっしゃいますが、大半の方が治療によって改善されます。今までの経験上、鼻血の原因として多かったケースは、鼻水やくしゃみを繰り返すことにより粘膜に炎症を起こし血管が傷つく、季節の変わり目の気温の変化により鼻が敏感になって出血する、冬の乾燥した冷たい空気を鼻から吸い込むことにより粘膜が傷つき出血する、などです。特に季節の変わり目は血圧が変動しやすいので、ひとたび出血をおこすと大量に長時間出血するケースもあり注意が必要な時期です。その他小児に多い、鼻をいじって粘膜を傷つけておこすケースもあります。
治療方法は、出血している所を見つけ、その箇所にあった方法で止血します。粘膜を焼いて止血する方法、鼻の中にガーゼを入れ圧迫して出血の勢いを抑えて止める方法などがあります。静脈から出血の場合、粘膜の傷や炎症をとる軟膏を塗ったり、薬を内服しておさまる場合もあります。
ただし、血をサラサラにする薬を飲んでいる方は血が止まりづらい傾向にありますので注意が必要です。
鼻血が出たらまず止血を試み、できるだけ血を飲み込まないように注意し、冷やしながら来院してください。